
会社内のお金の流れを把握・管理する「経理」の平均年収は、509万円と予想されています。
一般事務以上に正確さや専門性が求められるため、デスクワークの中では高年収のイメージがありますが、年代・働く地域・雇用形態などによって平均年収に差が出ます。
本記事では、年代・性別・役職・地域などあらゆる視点から経理の年収について解説しており、併せて経理の年収をアップさせる方法も紹介します。
最後までお読みいただけば、経理の年収について理解を深められる上に、どうすれば年収をアップさせられるのかも分かるでしょう。
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1.経理の平均年収
経理
509万円
一般
事務
311万円
財務
568万円
この章では、経理の平均年収・月収・手取り・推定生涯年収について解説します。
※この章は、dodaによる「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」(2019年9月~2020年8月)を参考に作成しています
経理の平均年収は509万円
2019年9月~2020年8月の「doda」の調査では、経理の平均年収は509万円。
同調査によると、「経理」と比較されがちな職種の平均年収は下記のとおりです。
- 一般事務(書類作成や電話対応などを行う仕事)…331万円
- 営業事務(事務処理や営業をサポートする仕事)…330万円
- 秘書・受付(事務処理や受付対応などをする仕事)…329万円
- 財務(会社の予算管理や資金調達などを行う仕事)…568万円
経理は「一般事務」より年収が高く、より専門性の高い「財務」より年収が低めであることがわかります。
※補足:口コミよる経理の年収データ※
- 求人ボックスによる「経理の仕事の年収・時給・給料情報」によると、経理の年収(正社員)は、416万円(※2021年1月6日)
- 転職会議による「経理の年収まとめ」によると、経理の平均年収は468万円(※2021年2月22日)
経理の月収は42万円
経理の平均月収は約42万円です。
【計算式】
年収509万円÷12ヶ月=約42万円
1ヶ月に42万円といえば高収入のイメージもありますが、経理の年収は年代が上がるにつれて上昇する傾向にあります。
そのため、20代のうちでは上記の月収を獲得することは難しいと予想できるでしょう。
将来の高年収のために、若いうちはコツコツと勉強・経験・努力を重ねる気持ちが大切です。
経理の手取り月収は34万円
一般的に手取りのおおまかな金額は、額面に0.75~0.85を掛ければ求めることができるといわれています。
ここでは、上記の真ん中の数字である0.8を掛けて、経理の手取り額を求めてみましょう。
【計算式】
年収509万円×0.8÷12ヶ月=約34万円
このように、経理のおおよその手取り額は約34万円です。
(参考:手取りの意味と月給・年収の額面から手取りを計算する方法|doda)
経理の推定生涯年収は2億2,396万円
定年は60歳というイメージが強いですが、厚生労働省の「平成30年「高年齢者の雇用状況」集計結果」によると、現在は99.8%の企業が65歳まで雇用確保措置を取っています。
そのため、新卒の22歳から65歳までの44年間経理で働いたと仮定して、推定生涯年収を計算してみましょう。
【計算式】
年収509万円×44年=2億2,396万円
上記の結果により、経理の推定生涯年収は約2億2,396万円と考えられます。
【年代別】経理の平均年収
50代
700万円近く
40代
600万円
30代
500万円以上
経理の年収は、年代によって300万円程度異なります。
この章では、経理の20代~50代を年収を詳しく紹介します。
※この章は、dodaによる「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」(2019年9月~2020年8月)と、
人材サービス産業協議会の「転職賃金相場2020(p9)」を参考に作成しています
20代の平均年収は388万円
経理の20代の平均年収は388万円です。
この年代だとまだ役職が付いていない人が多く、年収はそれほど高くはありません。
【20代の経理の年収に関する口コミ例】
30代の平均年収は511万円
経理の30代の平均年収は511万円です。
このくらいの年収・年代になると、20代と比べて知識も経験も増えており、経理のリーダー候補や経営分析の担当者をしている人などもいます。
そのため、20代と比べると約120万円も平均年収がアップしています。
【30代の経理の年収に関する口コミ例】
東京都 31歳
日本郵便株式会社
490万円
【良い点】
・景気にあまり左右されないため安定はしている。
・基本給が安いが、福利厚生は充実しているためそちらでカバーしている。
・大企業なので、急な給料カットなどは考えにくいと思われる。(後略)
40代の平均年収は600万円
経理の40代の平均年収は600万円です。
40代になれば役職に就いている人も増えており、年収もかなり高くなっています。
600万円以上を稼ぐ人は、経理の部長候補や課長、リーダーなどで活躍している人も多いでしょう。
【40代の経理の年収に関する口コミ例】
東京都 47歳
アクサ生命保険株式会社
660万円
【良い点】
金融業界なので年齢のわりには平均年収より高い。また業績にもよるが変動賞与が良い方だと思う。その他グループからマイル(株)が付与され微々たる金額だが毎年配当金が入ってくる。退職時には自分のタイミングで売れるので長い目で持っていても損はない。(後略)
50代以上の平均年収は684万円
経理の50代の平均年収は684万円です。
50代になれば管理職・責任者になっていたり、広報など他の部署と兼任をしている人も多いため、平均年収はかなり高めです。
中には公認会計士などの高度な資格を持って仕事で生かしたり、上場支援など高度な財務業務を行うことにより、800万円や1,000万円近くの年収を稼いでいる人もいます。
【50代以降の経理の年収に関する口コミ例】
俺は新卒時一般就職組だったので
事業会社のことは詳しいつもり(経理系がキャリアの大半)60歳時点⏩️⏩️⏩️部課長1,000万
あっても
役職定年⏩️⏩️⏩️350万とかザラです!!(~65歳?)
高度専門職なら経験が経過年数に応じて蓄積するので
70歳位まで元気なら60歳時点の年収を維持可能‼️
— まろ(公認会計士2020論文合格) (@MaronMikii) October 10, 2020
愛知県 51歳
タキヒヨー株式会社
700万円
【良い点】
250年の歴史がある一部上場企業です。大手量販店との取引額も多くなっています。利益剰余金も十分といえ、現在、財務的には問題の無い企業です。ルーセントに入居しており環境としても問題はないと思います。転勤もほとんどありません。(後略)
【男女別】経理の平均年収
女性
425万円
男性
556万円
この章では、経理の男女別の平均年収について解説します。
※この章は、dodaによる「平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」(2019年9月~2020年8月)を参考に作成しています
女性で経理の平均年収は425万円
経理の女性の平均年収は425万円です。
男性と比べると少ない傾向にありますが、女性の仕事としては年収は高いといえます。
なぜなら、女性の年代ごとの平均年収は下記のとおりであり、一番年収が高い50代の平均年収より、経理の平均年収のほうが高いからです。
年代 | 女性の平均年収 |
---|---|
20代 | 321万円 |
30代 | 377万円 |
40代 | 403万円 |
50代以上 | 431万円 |
このように、女性全体の平均年収と比べると経理の仕事は高収入といえます。
男性で経理の平均年収は556万円
経理の男性の平均年収は556万円です。
男性の年代別平均年収のデータと照らし合わせてみると、経理の男性の平均年収はそれほど高くないという印象を受けるかもしれません。
年代 | 男性の平均年収 |
---|---|
20代 | 371万円 |
30代 | 484万円 |
40代 | 573万円 |
50代以上 | 661万円 |
しかし先述の通り、男女を含めた経理の40代以降の平均年収は600万円を超えていました。
そのため男性側も、相対的に経理の仕事は平均年収が高めであると言えるでしょう。
【役職別】経理の平均年収
経理部長
800万円程度
経理
課長
600万円程度
経理
係長
500万円程度
経理の年収は、役職によって2倍以上差があります。
この章では役職別の経理の平均年収を見ていきましょう。
※この章は、「MS-Japan」(2020年12月時点)のデータを参考に作成しています
経理スタッフの平均年収は約400万円
正社員の経理スタッフの平均年収は約400万円です。
役職が付いていないためそれほど年収は高くありませんが、質素に生活をしていくなら十分な収入でしょう。
経理係長の平均年収は約500万円
経理係長の平均年収は約500万円です。
係長は自ら仕事を進めながらも部下の教育・マネジメントも行う存在のため、普通の社員より平均年収は高めになります。
経理課長の平均年収は約600万円
経理課長の平均年収は約600万円です。
課長といえば中間管理職の位置づけになるため、係長よりさらに年収はアップします。
600万円といえば高年収の部類に入りますが、経理はケアレスミスの許されない正確性が要求される現場であるため、ミスに対する責任も重くなるでしょう。
また、部下たちの教育の他、現場のプレッシャーを取り除いたり、メンタルケアをするといった気遣いも多くなることが一般的です。
経理部長の平均年収は約800万円
経理部長の平均年収は約800万円です。
部長となると経営陣寄りのポジションとなり、会社全体の数字を把握しているケースも多いです。
会社のトップである役員達が決めた目標を達成するために、部署全体を動かしていく大きな動きをするため、平均年収も800万円と高い傾向にあります。
【雇用形態別】経理の平均年収
派遣社員
1,383円/時給
アルバイト
974円/時給
経理の派遣社員やアルバイトの給与も、知りたくないでしょうか。
ここでは、雇用形態別の経理の平均年収を紹介します。
※この章は、「求人ボックス」(2021年1月6日時点)のデータを参考に作成しています
正社員の平均年収は416万円
経理の正社員の平均年収は416万円であり、初任給の相場は20万円程度です。
同調査の正社員の給料分布を見ると、ボリュームが多いのは299〜382万円の水準だったため、経理の平均年収は一般的なデスクワークよりやや高い水準といえます。
年収が高い上にデスクワークであれば、「経理の仕事は【狭き門】なのでは?」と感じてしまうかもしれませんが、意外にも有効求人倍率はそれほど低くありません。
2021年2月18日に発表されたdodaによる「転職求人倍率レポート」によると、事務・アシスタント系の有効求人倍率が0.2倍であるのに対し、経理が該当する企画・管理系は1.42倍でした。
また、dodaの2021年2月19日時点の「経理・財務・管理会計・内部統制 の転職・求人検索結果」は2,196件も出てきました。
そのため、年収が高めのデスクワークをしたいという方には狙い目といえるでしょう。
転職サイト「doda」については後述の「【補足】転職で年収を上げるなら『doda』を利用しよう」に詳細が載っていますので、経理への転職に興味がある方はご覧ください。
派遣社員の平均時給は1,383円
経理の派遣社員の平均時給は1,383円です。
最高時給では、1,803円~という数値もあります。
同調査による一般事務の派遣の平均時給は1,296円であるため、派遣でも一般事務より経理のほうが高収入の傾向にあります。
アルバイト・パートの平均時給は974円
経理のアルバイト・パートの平均時給は974円です。
同調査による一般事務のアルバイト・パートの平均時給は982円であり、正社員や派遣とは対照的に、一般事務より経理のほうが低時給という結果となりました。
そのため経理の仕事でしっかりと収入を得たい場合は、簿記などの資格を取ったり、派遣社員や正社員を目指す努力をすると良いでしょう。
【都道府県別】経理の平均年収ランキング
東京
521万円
愛知
417万円
岡山
403万円
神奈川
398万円
大阪
396万円
経理の平均年収を高い順から都道府県別のランキングにすると下記のとおりです。
※この章は、「求人ボックス」(2021年1月6日時点)のデータを参考に作成しています
都道府県名 | 平均年収 |
---|---|
東京都 | 521万円 |
愛知県 | 417万円 |
岡山県 | 403万円 |
神奈川県 | 398万円 |
大阪府 | 396万円 |
京都府 | 383万円 |
静岡県 | 374万円 |
広島県 | 369万円 |
福岡県 | 366万円 |
埼玉県 | 363万円 |
新潟県 | 362万円 |
石川県・千葉県 | 359万円 |
岐阜県・香川県 | 358万円 |
宮城県 | 356万円 |
兵庫県 | 355万円 |
茨城県 | 350万円 |
富山県・栃木県 | 348万円 |
愛媛県 | 340万円 |
福島県・奈良県・群馬県 | 335万円 |
滋賀県・三重県 | 333万円 |
熊本県 | 331万円 |
徳島県 | 330万円 |
長野県 | 328万円 |
山形県 | 321万円 |
北海道 | 318万円 |
福井県 | 314万円 |
岩手県 | 307万円 |
山梨県 | 304万円 |
和歌山県 | 296万円 |
佐賀県 | 294万円 |
宮崎県 | 293万円 |
鳥取県・山口県・鹿児島県 | 290万円 |
長崎県 | 287万円 |
大分県 | 283万円 |
高知県・沖縄県 | 280万円 |
秋田県 | 279万円 |
島根県 | 277万円 |
青森県 | 256万円 |
このように東京都がトップで、一番低いのは青森県でした。
相対的に都市圏が高い傾向にありますが、その中で岡山県がトップ3にランクインしている理由は、年収が極めて高い企業が複数、求人を出していることが理由だと考えられます。
実際に2021年2月22日時点の「doda」によると、数箇所、岡山で年収の高い経理の求人がありました。
(▼クリックして拡大)
(引用:doda|2021年2月22日)
(▼クリックして拡大)
(引用:doda|2021年2月22日)
2.経理の年収をアップさせる3つの方法
本格的に経理への就職・転職を検討している方は、収入アップの方法も知りたくないでしょうか。
この章では、経理の年収をアップさせる方法を紹介します。
①資格を取得する
現在の会社にいながら年収アップを図りたい場合は、資格を取得すると良いでしょう。
なぜなら、頑張りが認められれば昇進の可能性がありますし、会社の規定によっては資格手当が出るからです。
人材サービス産業協議会の「転職賃金相場2020」によると、高年収の経理の仕事では下記のような資格・スキルを求められる傾向にありました。
- 公認会計士
- 簿記2級以上
- 英語 など
今後、経理の仕事で収入アップをしたいと考えている方は、今後の目標にすると効果的でしょう。
②実務経験を増やす
実務経験を増やすのも有効な手段です。
年功序列制度を導入している会社なら年齢によって年収アップしますし、会社に頑張りや実力が認められれば、役職が付く可能性もあるからです。
また人材サービス産業協議会「転職賃金相場2020」によると、年収1,000万円以上の経理関係の転職に成功した人は下記のような実績を持つ傾向にあるようなので参考にすると良いでしょう。
- 上場支援など高度な財務業務の経験
- 上場企業での決算経験
- 管理職経験
- 監査法人・会計コンサル企業での会計関連業務経験 など
なお、業務上の知識を深めるためには、下記のような書籍も参考になるでしょう。
③転職する
「役職のポストが空かない」「資格手当てが出ない」「業績が悪化している」など、現在勤めている会社では年収アップを見込めない場合、思い切って転職するのも手です。
しかし、自分の条件に合った求人を探すのは大変ですし、転職に成功しても「ブラック企業だった」「求人票の条件とは異なっていた」という悪い結果になってしまうリスクもあります。
このようなリスクを回避するためには、転職エージェントを利用するのが良いでしょう。
転職エージェントは、事前に求人を出している会社の担当者とコンタクトを取り、職場の情報を仕入れているために、労働基準法を無視しているようなブラック企業は避けることが可能です。
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仕事をしながら効率的に転職活動をしたいという場合は、是非とも転職エージェントを利用しましょう。
3.【補足】転職で年収を上げるなら『doda』を利用しよう
(引用:doda)
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(参考:doda)
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(引用:doda)
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まとめ
経理の年収についての要旨は下記のとおりです。
- 平均年収…509万円
- 平均月収…約42万円
- 平均手取り額…約34万円
- 推定生涯年収…約2億2,396万円
- 20代の平均年収…388万円
- 30代の平均年収…511万円
- 40代の平均年収…600万円
- 50代以上の平均年収…684万円
- 女性で経理の平均年収…425万円
- 男性で経理の平均年収…556万円
- 経理スタッフの平均年収…約400万円
- 経理係長の平均年収…約500万円
- 経理課長の平均年収…約600万円
- 経理部長の平均年収…約800万円
- 正社員の平均年収…416万円
- 派遣社員の平均時給…1,383円
- アルバイト・パートの平均時給…974円
- 平均年収1位の都道府県…東京都
年収をアップするためには、下記の方法を取ると良いでしょう。
- 公認会計士などの資格を取得する
- 実務経験を増やす(上場支援など高度な財務業務の経験は高く評価される)
- 転職エージェントを利用して転職活動をする
この記事が、経理の年収について知りたい方の参考になれば幸いです。
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