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「ブッキング」の意味は「予約する」ですが、日本では元々業界用語として使われてきました。
カタカナ英語として、日本では様々な場で広く使われていますが、英語の表現では「予約する」意味でしか使われないため、注意が必要です。
そこで今回は「ブッキング」の由来と業界ごとの意味、「ブッキング」と似た意味を持つ「アポイントメント」との違い、使い方について詳しくご紹介します。
1.「ブッキング」の意味:予約をすること
ブッキング
英語:booking
意味:
- 帳簿に記入すること。
- 乗り物の座席やホテルの部屋を予約すること。
- 興業や出演の契約、映画の配給契約のこと。
「ブッキング」は「book」の現在分詞です。
現在分詞とは、「今まさにしている状態」「着手したがまだ完了していない状態」を表現する言葉で、動詞に「~ing」をつけて形容詞として使います。
「book」は名詞だと「本」ですが、動詞としての意味は「予約する」「帳簿に記入する」「契約する」です。
ただし 英語で「ブッキング」は、主に「予約する」という意味で使われています。
1-1.一般的な意味では「予約」
「ブッキング」は、一般的には「予約」の意味で使われます。
コンサートのチケットや飛行機や新幹線などの座席、またホテルの予約などをするときに、「ブッキングする」と言います。
1-2.本来の意味は「帳簿に記帳する」
「ブッキング」の英語の元々の意味は「帳簿に記帳する」です。
「book」は「書物」という意味ですが、複数形のbooksだと「帳簿」を意味するためです。
本来、ホテルなどでは宿泊予約を帳簿に記入していたことから、「ブッキング」は「帳簿に記入する」という意味で使われていました。
今でも「予約する」ことに加え、「帳簿に記帳する」という意味でも「ブッキング」は使われています。
1-3.「契約」という意味でも使われる
日本での「ブッキング」は、元々業界用語でした。
ミュージシャンなどが契約を結ぶときや、タレントのスケジュールをおさえたときなどに「ブッキングする」と使っていたのです。
ところがニュースなどで、「飛行機のチケットがダブルブッキングした」と使われたり、タレントが「ブッキングした」とコメントするようになり、一般にも広く使われるようになりました。
またカタカナ英語として、日本では「人との約束」としても使われるほか、業界ごとに様々な意味で使われます。
次は業界ごとの「ブッキング」の意味をご紹介します。
2.「ブッキング」の業界ごとの意味
「ブッキング」は元々業界用語として使われていて、今でもその意味が継続して使われています。
本来の「予約する」とは別の意味を持つ、業界ごとの「ブッキング」について、8つの業界での意味をご紹介します。
- 会計・金融業界:「帳簿の記入」
- 貿易・流通業界:「目的地までに関わる業務」
- 映画業界:「映画を配給すること」
- 芸能・音楽業界:「出演の契約」
- イベント:「運営者が主催・企画すること」
- サッカー:「イエローカードを出す」
- 通信業界:「顧客に通信回線を提供する状況」
- 文具業界:「写真を飾るペーパークラフト」
それぞれの使われる意味について、見ていきましょう。
2-1.会計や金融業界では「帳簿への記入」
会計や金融業界では、「ブッキング」は本来の意味である 「帳簿への記帳」として使われます。
例えば、通帳を記帳する機械のことを元々「Passbook Booking System」(通帳記帳マシン)と呼んでいました。
しかし、現在では記帳は人の手ではなく機械がするので、「Passbook Update Machine」(通帳更新マシン)といいます。
そのため、現在では会計関連で「ブッキング」を使うことはまれです。
2-2.貿易や流通業界では「目的地までに関わる業務」
貿易や流通業界における「ブッキング」は、「予約とそれに関わる業務」のことです。
荷物を輸送する際、流通する商品が多い場合は海上輸送を利用します。
このときに輸送する物に合わせてコンテナを用意したり、コンテナ船を予約する必要があります。
この作業が「ブッキング」です。
また海外からの輸入の場合、関税の書類など船会社に提出する書類が多岐にわたるため、その業務も含めて「ブッキング」が使われます。
2-3.映画業界では「映画を配給すること」
映画業界では、映画配給会社が映画館に映画を配給する際に「ブッキング」を使います。
映画業界の「配給」とは映画という商品を買い、映画館に配ったり、映画を宣伝することです。
買い付けた映画を映画館に提供して、上映場所を確保することを「ブッキング」といいます。
映画業界でよく使われる「ブッキング」には2種類あります。
- ブロックブッキング:公開される劇場と上映期間があらかじめ決められている仕組み
- フリーブッキング:映画館がどの配給会社の作品でも自由に選んで上映する仕組み
昔は「ブロックブッキング」という配給システムが主流でしたが、シネコン(シネマコンプレックス=複数のスクリーンがある映画館)が主流になった現代では、フリーブッキングが採用されています。
シネコンでは上映可能なスクリーンが多くあることに加え、映画の評判や人気、興行成績に合わせて座席数の多いスクリーンや少ないスクリーンで上映するなど映画館側で調整ができます。
そのため、人気のない映画を短期間で切り上げたり、人気がある映画をロングヒットで上映するといった映画館側にメリットが大きい「フリーブッキング」が採用されています。
2-4.芸能界や音楽業界では「出演の契約」
芸能界や音楽業界における「ブッキング」は、「出演の契約をする」意味で使われます。
番組出演や音楽ライブへの出演依頼をするため、日程調整をおこない契約を結びます。
特にテレビ番組の場合は、出演料の交渉、視聴率が取れるタレントや芸能人を確保しなければなりません。
またタレント側でも、映画やドラマの宣伝などテレビ番組を利用する必要があったり、芸能事務所が売り出すために番組プロデューサーと交渉したりします。
2-5.イベントでは「運営者が主催・企画すること」
ライブなどを主催する側が企画をし、イベントのスケジュールやチケットの販売などの責任をおうことを「ブッキング」といいます。
このライブを「ブッキングライブ」といい、主催者が出演交渉もおこないます。
2-6.サッカーでは「イエローカードを出すこと」
イギリスでは、サッカーの試合中に審判が選手に対しイエローカードを出すことを「ブッキング」といいます。
イエローカードを渡した後、審判が手帳に記入することから使われています。
イエローカードをもらう選手の立場では、「booked(ブックド)」です。
「booked」には、警官に逮捕されるという意味もあります。
2-7.通信業界では「顧客に通信回線を提供する状況」
通信業界における「ブッキング」は、「契約している顧客に通信回線を提供する状況」のことです。
通信業界では、「オーバーブッキング」という言葉がよく使われます。
これは「通信業界が自社で抱えている通信回線より、多く回線を顧客に提供している状態」を指します。
回線の使用が集中することで、サーバーエラーや通信速度が遅くなるなど障害が起きます。
2-8.文具業界では「写真を飾るペーパークラフト」
文具業界での「ブッキング」は、「写真を飾るペーパークラフト」のことです。
「スクラップブッキング」という、写真をアルバムにただ貼るだけでなく、切り抜きや装飾をすることで個性的なアルバム作りが人気を集めています。
3.「ブッキング」を使った例文
ビジネスの場で、「ブッキング」はどのように使えばいいでしょうか。
分かりやすく例文をご紹介します。
<例文>
- 来月の出張の航空券を、ブッキングしておいてもらうよう事務にメールした。
- 得意先との接待で、いつもの店を18時にブッキングしておきました。
- 先日航空券のダブルブッキングが発生したと聞いたので、確認のため電話しておこう。
- ブロックブッキングをすることで、経費の削減になる。
ビジネスの場合には、「ブッキング」は主に「予約をする」「約束をする」といった意味で使います。
ただし海外の取引で、「ブッキング」を使う際には、日本で使われている「ブッキング」とは意味が違うため注意が必要です。
4.英語での「ブッキング」は旅行関連の予約に使う
英会話において、「ブッキング」は旅行に関する予約をする際にのみ使います。
日本のように人との約束やお店の予約の場合には、「ブッキング」ではなく、それぞれ別の表現を使います。
-
「人との約束」は「appointment」
-
「レストランの予約」は「reservation」
4-1.「人との約束」は「appointment」
「特定の時間」と「場所」を決めて、何かの目的(ビジネスや病院)のため予約して人と会うときには「appointment」を使います。
人との約束、取引先の人に会う、医者や弁護士に会う、また美容院の予約の場合にも「appointment」を使います。
<例文>
I have an appointment with him at tomorrow.
(彼と明日会う約束がある)
4-2.「レストランの予約」は「reservation」
レストランの予約のほか、ホテルや航空券、列車の指定席などにも「reservation」が使えます。
ただし「reservation」は場所のとるための予約という意味で、時間の予約までは含まないという違いがあります。
時間も決めた上での予約は、「appointment」を使います。
<例文>
I will make a reservation with that restaurant.
(レストランを予約します)
ただし、イギリス英語の場合は予約に関することは、「booking」を使います。
アメリカ英語の場合は、レストランの予約やコンサートの予約は「reservation」、旅行関連の予約は、「booking」だけでなく「reservation」でも通じます。
辞書では「booking」も「reservation」も同じ意味になっていますので、実際に使う場合には注意しましょう。
まとめ
英語でのブッキングには、「予約する」「帳簿に記入する」「契約する」という意味がありますが、主に旅行関連の予約に対して使われます。
日本でもカタカナ英語として「ブッキング」は多く使われていますが、「ホテルや航空券の予約」「店の予約」「人との約束」にも使われ、英語での意味とは違う点に注意が必要です。
また、イギリス英語では予約に関することはすべて「booking」で通じます。
ただし、アメリカ英語の場合は「人との約束」については「appointment」、「レストランの予約」は「reservation」と使い分けることを覚えておきましょう。