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「言質」は「げんち」と読み、「後日の証拠となる約束の言葉」を意味する言葉です。
「げんしつ」や「ことじち」などと、読み間違われることの多い言葉ですが、正しくは「げんち」です。
今回は、何かと読み間違えられやすい「言質」の意味をはじめ、読み方、使い方や例文、類語、英語表現までを徹底的に解説します。
本記事を最後まで読み、「言質」という言葉をしっかりと理解して、スマートに使いこなしてくださいね。
1.「言質」の意味・読み方
意味は「後日の証拠となる約束の言葉」
言質
読み方:げんち
意味:言質とは、後々証拠になる言葉のこと。
相手から後で証拠にできるような言葉を引き出すことを「言質を取る」という。
また、言質を取るために行動することを「言質を引き出す」という。
(引用:weblio辞書)
「言質」は「言」と「質」に分解でき、それぞれの漢字の意味は以下の通りです。
- 【言】:言葉
- 【質】:約束を履行する保証として預けておくもの
これらの漢字を合わせると、「 約束を果たす保証として言葉を預けるということ」を容易に想像することができますね。
例文
- A:「この資料は今年度のデータを使わなくていいのかい?」
B:「課長から言質を取ったから大丈夫だよ。」
- うっかり交渉先に言質を与えてしまうとは何事だ!
- C社に経済的支援の意思があるという言質を取りつけてくれないか。
「げんしち」「げんしつ」は慣用読み
「言質」を様々な辞書で引いてみると、「げんしち」「げんしつ」は誤読による慣用読みである、という注釈が付けられています。
「慣用読み」とは、間違った読み方をが広まってしまい、いつの間にか一般化した読み方のことを言います。
一般化している読み方ですから、「言質」を「げんしち」や「げんしつ」と読んでも特に問題はありません。
しかしながら、やはりビジネスシーンなどの改まった場所では、本来の読み通り「げんち」と読むのが無難でしょう。
2.「言質」の使い方
「言質」とは、「後で証拠となる約束の言葉」を意味する言葉です。
そのため、 「言質」は相手と約束を取り交わす交渉の場で多く使われます。
「言質」の主な使い方には以下の2つがあります。
それでは、順に使い方と例文をご紹介します。
言質を取る(げんちをとる)
「言質を取る」とは、「後で証拠となるような言葉を相手から引き出す」ことを表す慣用句です。
「言質を取る」ことは、交渉を有利に進める上で重要なことです。
しかしながら、約束を守るつもりのない相手にとっては不利益になり得ることもあるでしょう。
万が一、相手が約束を破ったり、意見を変更したりということがあっても、言質をとっておくことで、相手に証拠を突きつけられますよ。
<例文>
- 今回の取引先には、不用意に言質を取られないようにしよう。
- 書類を用意する前に、部長から言質を取っておくべきだった。
尚、「言質」の取り方には以下のような方法があります。
- 相手の許可を得た上でボイスレコーダーなどで録音する
- 相手にメールを送ってもらい記録として残す
- 相手の言葉を復唱し、再度確認する
言質を与える(げんちをあたえる)
「言質を与える」とは、「後で証拠となるような言葉を相手に与えてしまう」ことです。
相手と交渉をする上で、相手にとって有利に事が進むようになるようなことを言ってしまったときなどに使われます。
「言質」を与えてしまうと、自分が約束を守らなかったり、意見を変更したい場合などに、証拠を突きつけられてしまいます。
大事な交渉の際には、相手に「言質」を与えないように、慎重になって言葉を口に出しましょう。
<例文>
- 彼は、取引先に言質を与えてしまうという大失態をさらしてしまった。
- 相手の口車に乗せられて、うっかり言質を与えるところだった。
3.ビジネスシーンで「言質」を使う場面と例文
ビジネスシーンにおいて「言質」という言葉が使われる際は、以下のような場合があります。
それでは、順にご説明します。
場面1.ボイスレコーダーで証拠をとる
すみません。言質を取らせていただきたいので、ボイスレコーダーを使ってもよろしいですか?
そのため、後々言った言わないのトラブルが起こってしまうことが多々あります。
そのようなトラブルを防ぐためにも、ボイスレコーダーの使用をすることを願い出る際に「言質」という言葉が使われます。
ただ、「言質」という言葉を聞いて相手が身構えてしまうこともあるでしょう。
そのような場合には、「お互いに言質を取るため」というように言い換えることで、より穏やかに表現できるでしょう。
場面2.証拠を残すために文書で連絡をとる
言質を残しておくために、メールなどの文書でやりとりしましょう。
言った言わないのトラブルは、交渉の場だけではなく上司から部下への指示や部下から上司への報告の場でも起こり得ます。
そのようなトラブルを防ぐべく、文書でのやりとりを提案する場合にも「言質」という言葉を使うことができます。
「言質を残す」という言い回しを使えば、「お互いに言質を取るため」という意図を相手に伝えることができますよ。
場面3.うっかり言質を取られてしまった
いやぁ、あなたがあんまり話しやすいものだから、うっかり言質を与えてしまいました。
「言質」を取られてしまうことは、ビジネスの場では時に致命傷になり得ます。
しかし、 致命傷であることを悟られないように、あえて「言質を与えてしまった」とおどけて見せるのもビジネステクニックのひとつです。
もしものときは起死回生の策として「言質」という言葉を使ってみましょう。
4.「言質」の類語・言い換え表現
「言質」の類語・言い換え表現には、以下の3つが挙げられます。
では、それぞれの類語について例文と共に意味を解説していきます。
類語1.証言
「証言」は、「ある事柄が事実であることを証明する」という意味の言葉です。
「言質」よりも直接的で分かりやすく、相手に意味が通じやすいでしょう。
<例文>
あなたが彼の言っていたことを証言してくれれば、この件の問題は解決する。
類語2.確約
「確約」は、「 確かな約束」を表す言葉です。
「言質」を取るということは、確かな約束を交わしたという証拠をおさえることを意味します。
そのため、「確約」は「言質」の言い換え表現にふさわしいものだと言えるでしょう。
<例文>
我が社と取引してくれるという確約を得ることができた。
類語3.供述
供述
読み方:きょうじゅつ
意味:
刑事訴訟法上、被告人・被疑者・証人などが、主として裁判官・検察官などの尋問に答えて事実を述べること。
また、その内容。「犯行の動機を—する」
(引用:weblio辞書)
「供述」は、「 ある事実について述べることやその内容」を意味する言葉です。
「証拠となる言葉である」という点で、「言質」に通じる言葉と言えます。
しかし、「言質」がビジネスの場でよく使われる言葉であるのに対し、「供述」は刑事裁判などで用いられる言葉です。
ビジネスの場で「言質」の代わりに「供述」を使うのは避けましょう。
<例文>
嘘をつかないということを宣誓した後、知り得る限りのことを供述した。
まとめ
「言質」は 「げんち」と読み、 「後日の証拠となる約束の言葉」を意味する言葉です。
同様の意味を持つ言葉には「言葉質(ことばじち)」があります。
「言質」を「げんしつ」や「げんしち」と読むのは、慣用読みであり、厳密には間違いではありません。
ただし、ビジネスシーンなどの改まった場では、正式に「げんち」と読むのが無難です。
また、「言質」は相手にプレッシャーを与える言葉となり得るものですから、「言質」を使う際には相手への配慮を忘れないようにしましょう。