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「約束を反故された」「契約を反故にした」という言葉をよく聞くけど、「反故」ってどんな意味なの?
このような悩みにお答えします。
「反故」は、 「なかったことにする」という意味の言葉で、約束を取り消す時などによく使われます。
ビジネスシーンでは使われることが多いですが、日常会話では使われないので「全く知らなかった」という人も多いです。
そこで今回は「反故」の意味や使い方を、例文で確認しながらわかりやすく解説していきます。
類義語や英語表現なども紹介しているので、読み終わる頃には完璧に使いこなせるようになっているはずですよ。
ぜひ参考にしてください。
1.「反故」の意味:「無駄にすること」「約束を破ること」
反故
読み:ほご
①無駄にする。不用なものとして捨てる。
②約束や決まりなどを取り消したり、破ったりする。無効にする。破棄する。
ネガティブなイメージで使われる言葉です。 「なかったことにする」という意味があります。
1‐1.「反故」の語源とは
「反故」の由来は漢語です。
「反」は「裏返す」、「故」は「使用済みの紙」を意味します。
「反故」とは一度使った紙を裏返してもう一度使用することを言います。そこから派生して、書き損じた紙のこと自体を「反故」と呼ぶことになりました。
さらに、それが転じて不用なものとして捨てることを「反故」と呼ぶようになります。約束や決まりごとが白紙になることも「反故」と言います。
2.「反故」の使い方と例文
ここまで「反故」の意味を説明してきましたが、具体的にどのような使い方をするのが正しいのでしょうか。
ここからは、「反故」に含まれる2つの意味に対して、使い方や例文をそれぞれ解説していきます。
2‐1.「無駄にする・不用なものとして捨てる」という意味の場合
オフィスにて、先輩が何枚もの紙を手にしながら、ぼそぼそと言っています。
コピー用紙を何枚も反故にしてしまった。
これは「無駄にする」という意味で使っています。
その他にも以下のような使い方があります。
- 書き終えたレポートを反故にして、一から書き直しました。
- 思いをうまくまとめられず、何度も便箋を反故にしました。
2‐2.「約束や決まりを取り消す」という意味の場合
部長が電話を切ったあと少々怒りながら言いました。
せっかく時間を空けておいたのに約束を反故された。
これは「約束を取り消す」という意味で使っています。
この他にも以下のような使い方があります。
- 先方を信頼できなくなったので取り決めを反故しましょう。
- 苦労して少しずつ積み上げてきたものを、一瞬にして反故にするとは。
3.「反故」の類義語
「反故」は「無駄にする」や「取り消す」という意味を持つ言葉なので、類義語は多くあります。
翻す(ひるがえす)
⇒①ひらりと裏を出す。ひるがえるようにする。
②風が旗などをひらめかせる。
③それまでの態度や発言と反対のことをしたり言ったりする。
踏みにじる(ふみにじる)
⇒壊す。台無しにする。踏んで駄目にする。
すっぽかす
⇒約束・仕事など、義務をはたさなくて、ほうっておく。
なかったことにする
⇒それまでの経緯や話し合いの内容などを取り消す。多くの場合、「なかったことにしてください」の形で契約の破棄、計画の中止を通告するときに使う言葉。
無効にする(むこうにする)
⇒ききめのないこと。効力を持たないこと。
破る(やぶる)
⇒①紙・布などを裂いたり穴をあけたりする。
② (固い物を)傷をつけてこわす。また、砕く。
③相手側の備え・守りなどを打ちくだいて通過する。
④ 安定していた状態を乱す。
⑤ 規則・約束などに背く行為をする。
⑥相手を負かす。
⑦人の体や心を傷つける。
撤回する(てっかいする)
⇒一度出した意見などをひっこめること。法的には、意思表示をした者がその効果を将来に向かって消滅させること。
白紙にする(はくしにする)
⇒ ものの価値をなくしてしまうこと。ものを新しくすること。
取りやめる(とりやめる)
⇒予定していたことをやめること。
破棄する(はきする)
⇒①破って捨てること。
②約束を一方的に破ること。
③上級審裁判所が、上訴を理由ありと認め原判決を取り消すこと。
空手形に終わる(からてがたにおわる)
⇒実行されない約束のこと。
特に「なかったことにする」という表現はよく使われます。「反故」よりも少し柔らかい表現になるので、口語でも使いやすいです。
これら「反故」の類義語の例文は以下の通りです。
- 前言を翻して、私たちを責めてきました。
- 他人の折角の厚意を踏みにじるとはなんともひどいことです。
- あいつはよく約束をすっぽかすから信頼できないです。
- この結婚はなかったことにしましょう。
- 話し合いが揉めてしまい、契約を無効にすることになりました。
- 約束を破ってしまい、心が痛みます。
- 不適切だったため発言を撤回します。
- 今回の取引は一旦白紙にします。
- 台風が来たら、明日の社員旅行は取りやめます。
- このサービスはもう利用しないため契約を破棄したいです。
- 約束が空手形に終わりました。
「空手形に終わる」という表現はあまり見かけません。
もし、「反故」を言い換えるのであれば、「なかったことにする」「破る」「白紙にする」あたりを使用するとよいでしょう。
3.「反故」の反対語
ここまで「反故」の類義語を紹介しましたが、反対の意味を使いたい場面もあると思います。
そこで、「反故」の反対語を紹介するので、例文とともに理解しましょう。
守る(まもる)
⇒決めたことや規則に従うこと。
履行する(りこうする)
⇒ 約束や契約などを実際に行うこと。
実行する(じっこうする)
⇒実際に行うこと。
遂行する(すいこうする)
⇒物事をなしとげること。やりとおすこと。
果たす(はたす)
⇒① しなければならないことやしようと思っていたことをし終える。なしとげる。
②物が、その働きをする。機能する。
③動詞の連用形の下に付いて、すっかり…してしまう、…し尽くすなどの意を表す。
④ 願(がん)がかなって、願ほどきをする。
⑤殺す。
従う(したがう)
⇒①目上の人のあとについて行動する。随行する。
②他からの働きかけを受け入れて、さからわない。
③(多く「…に従い」「…に従って」の形で)他のものの変化に伴って変化する。他のものに対応する。
④ある業務を行う。従事する。
「反故」は「なかったことにする」という意味なので、「実行する」という意味が反対語になります。
それではより深く理解するために「反故」の反対語の例文を見ていきましょう。
- 私は必ず約束を守る人間です。
- この契約を最後まで履行してください。
- 計画するだけではなく、実行することに意義があります。
- 必ず職務を遂行いたします。
- 重要な責務を果たせて安堵しています。
- マニュアルに従って業務を行ってください。
4.「反故」の英語表現
「約束を反故にする」の英語は 「break one’s promise」です。
「breaak」は「壊れる・割れる・折れる・砕ける」という意味です。
「promise」は「約束」という意味なので、「約束が壊れる」つまり、「約束を破る」というニュアンスになります。
実際にはこのように使います。
He often break one’s promise.
(彼はしばしば約束を反故にします。)
まとめ
「反故」の意味・例文・類義語・反対語・英語表現を紹介しました。
「反故」には「①無駄にする・不用なものとして捨てる」「②約束や決まりなどを取り消す」という意味があります。
年配のビジネスマンは使用することもある「反故」という言葉。
恥をかかないために類義語や反対語までしっかり身につけ、使いこなせるようになりましょう。