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せっかく準備をしてくださったのに…。
取引先の会社の人がこのように話しているのを見たことがあるでしょう。
しかし、「『せっかく』にはネガティブなニュアンスがあるし、その使い方は間違っているのでは?」と疑問に思っているのではないでしょうか。
実は、「せっかく」という言葉はビジネスシーンでも問題なく使うことがきます。
今回は、この「せっかく」という表現の正しい使い方について徹底的に解説します。
記事を読み終わるころには、「せっかく」の意味や使い方、類語、英語表現までを完璧に理解できますよ。
1.「せっかく」の意味
「せっかく」という言葉には、 「努力・好意が無駄になることを残念がる」という意味が含まれています。
「せっかく」の漢字表記は「折角」
「せっかく」を漢字で表記する場合には、「折角」と書きます。
「折角」は故事成語の1つで、その元となったエピソードには複数の接があります。
1つは『漢書』朱雲伝に載っています。
その昔、朱雲という人が五鹿に住む充宗という人と激論を交わして打ち勝ちました。
それを聞いた当時の人々は、洒落を込めて「朱雲よく鹿の角を折る」と評したそうです。
この故事から、 「力を尽くして困難を成し遂げる」という意味で「折角」という言葉が使われるようになったと言われています。
また、もう1つの説として『後漢書』郭泰伝が挙げられることもあります。
郭泰という人がかぶっていた頭巾が、雨で濡れてたまたま折れ曲がっていました。
それを見た郭泰を慕う人々は、わざわざ頭巾を曲げてかぶるようになったそうです。
この故事から、「わざわざ」という意味で「折角」という言葉が使われるようになったとも言われています。
2.「せっかく」の使い方・例文
ここでは、「せっかく」という言葉は具体的にどのようなときに使われるのかを詳しく見ていきましょう。
「せっかく」のよくある使い方
「せっかく」という言葉は、自分の努力や相手の厚意が無駄になってしまったときに多用されます。
また、チャンスなどの貴重なものを手に入れ損ねてしまったときにも使える言葉です。
よくある使い方としては、以下の3つが挙げられます。
- せっかく○○したのに…
- せっかくの○○を…
- せっかく○○したのだから…
せっかく〇〇したのに…
「せっかく○○したのに…」という表現は、苦労や努力が水の泡になってしまったときによく使われます。
自分にに向けて使うなら問題ありませんが、人に向けて使う場合には注意しましょう。
たとえば、 「せっかくあなたのために○○してあげたのに…」というような使い方をすると、相手に不快感を与えてしまいます。
せっかくの〇〇を…
「せっかくの○○を…」という表現は、チャンスなどの貴重なものを手に入れ損ねてしまったときによく使われる表現です。
「せっかくのお花見なのに、天気が良くありませんね」などのように、 期待していたことと異なることが起こって非常に残念な気持ちであることを表します。
せっかく〇〇してもらったのに…
「せっかく〇〇してもらったのに…」という表現は、 相手の厚意を無駄にしてしまったことを申し訳なく思うときに用いられます。
多くの場合、その後に謝罪の言葉が続きます。
「せっかく○○していただいたのに」と丁寧な表現を使うことで、ビジネスシーンでも使うことができるでしょう。
ビジネスシーンで「せっかく」を使う場面と例文
ビジネスシーンで「せっかく」を使う場面を確認していきましょう。
場面1.相手の厚意を無駄にしてしまったことを謝罪するとき
せっかくご足労いただきましたのに、長時間お待たせしてしまい申し訳ございませんでした。
「せっかく」という言葉は、相手の厚意を無駄にしてしまったことを謝罪するときに多く用いられます。
相手への謝罪の気持ちをより一層強く表すことができるので、相手への誠意を示したい場合にはうってつけの表現です。
場面2.相手の厚意を受け取りつつ、相手の申し入れを断るとき
せっかくのお誘いですが、本日は先約があるので…。
ビジネスシーンにおいて「せっかく」という言葉は、相手の厚意を受け取りつつも、相手の申し入れを断りたいときに使うことができます。
「せっかく」を使えば、相手がしてくれたことに感謝を示すことができるので、相手の申し入れを断っても、相手に不快感を抱かせずに済みます。
場面3.相手の厚意を受け取るように勧めるとき
せっかくのご厚意なのだから、受け取らないとかえって失礼だよ。
ビジネスシーンにおいて、「せっかく」という言葉は他人の好意に対して敬意を払うときに使われます。
取引先の厚意に恐縮している後輩には、厚意を受け取るように促しましょう。
3.「せっかく」を使うときの注意点
「せっかく」という言葉は、ビジネスシーンで使っても問題ありません。
しかし、 使い方によっては相手に失礼になってしまうことがあります。
「せっかく」を使うときには、次のことに注意しましょう。
「せっかくだから」は相手によって失礼になる
「せっかく」の使い方として、「せっかくだから」という表現があります。
部下に対してこのような言い方をすることには特に問題はないのですが、上司などの目上の人に対して使うのはNGです。
「せっかくだから」と目上の人に対して言うことは、 目上の人に誰かの厚意を押し付けることになってしまいます。
「せっかくだから」という言葉を使うときには、相手と自分の関係性に注意しましょう。
「せっかく」を使った敬語表現
「せっかく」を使った敬語表現もあります。
「せっかくお越しくださったのに、何のお構いもできず申し訳ございません」という場合、「せっかく」が相手の行為にかかっています。
敬語として使う場合には、 相手の行為を尊重した言い回しで使うように注意しましょう。
4.「せっかく」の類語・言い換え表現
「せっかく」の類語・言い換え表現は以下の3つです。
- わざわざ
- お手間をかけさせて
- 遠路はるばる
では、1つずつ見ていきましょう。
類語1.わざわざ
「わざわざ」は、基本的には「せっかく」と同様、相手の厚意を尊重したいときに使えます。
しかし、「わざわざ来なくても良かったのに…」という使い方は、 相手の行為を否定する意味になるので失礼です。
「わざわざ」は、 相手への深い感謝の気持ちを伝えるときに使いましょう。
<例文>
わざわざお土産までご用意くださいまして、ありがとうございます。
類語2.お手間をかけさせて
お手間をかけさせて
読み:おてまをかけさせて
意味:相手に面倒や苦労をかけたことを謝罪するときなどに使われる言葉。
「お手間をかけさせて」という表現は、「せっかく」よりも丁寧で、謝罪向きの言葉です。
相手に面倒や苦労をかけさせたことについて、より深い謝罪の気持ちを伝えたいときには、「お手間をかけさせて」という言い回しを使いましょう。
<例文>
お手間をかけさせて申し訳ございませんでした。
類語3.遠路はるばる
「せっかく」という言葉はさまざまな努力や苦労をねぎらう意味で用いられますが、「遠路はるばる」は、遠くから来てくれたことをねぎらう際に用いられる言葉です。
ビジネスシーンでは、相手が自分の会社に遠い距離を時間をかけて訪れてくれたことに対する感謝の気持ちなどを述べる際によく用いられます。
<例文>
遠路はるばるお越しくださいまして、ありがとうございます。
まとめ
「せっかく」は、努力・好意が無駄になることを残念がる意味で使われる言葉です。
「せっかく」は相手の好意が無駄になることに対して謝罪を述べるときに使うのであれば、ビジネスシーンで用いても問題ありません。
しかし、「せっかくだから」と目上の人に対して言うことは、 目上の人に好意を押し付けることになってしまうので注意しましょう。
また、「せっかく」には「わざわざ」「お手間をかけさせて」「はるばる」など多くの類義語があります。
皆さんも「せっかく」やその類義語、英語表現をマスターしてビジネスシーンで役立ててください。