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「依拠」は「いきょ」と読み、ある物事・存在に基づいているという意味の言葉です。
「依拠する」や「依拠性」のように使います。
普段の会話ではあまり見かけないので、読み方や意味がわかりにくい言葉ではないでしょうか。
ここでは、そんな「依拠」の意味や使い方、英語表現などを解説していきます。
記事を読み終わるころには、「依拠」をバッチリ理解できているはずです。
1. 「依拠」の意味:ある物事・存在に基づいていること
依拠
読み方:いきょ
- ある物事・存在に基づいていること
- ある物事・存在を拠(よ)り所とすること
ある物事・存在を基準(土台)とすることを表現するときに使う言葉です。
「依拠」は、次の2つの漢字から成り立っています。
- 依⇒頼る・従う
- 拠⇒何かをするための頼りとなる足場
つまり「依拠」は、ある物事・存在を頼りにするという意味で使います。
2. 「依拠・依拠する」の例文
「依拠」は、文学小説に出てきたり、会社としての考えを述べる時などで使ったりします。
難しい言葉なので、例文で雰囲気を掴んでいきましょう。
基本的には、「依拠する」というフレーズで使います。
<例文>
- 経営哲学に依拠した行動である。(経営哲学を土台にした行動)
- 従来の経験のみに依拠するのは危険だ。(今までの経験のみに頼るのは危険)
- 建築基準に依拠して建てられた。(建築基準を守ったうえで建てられた)
- 彼の価値観に依拠してしまう。(彼の価値観に頼ってしまう)
- 本案件は先例に依拠する。(本案件は、先例を基にしている)
- 最高裁判例に依拠している判決。(最高裁判例を基にしている判決)
3. 「依拠性」の意味:他人の著作物を利用して創造すること
著作権の法律用語に「依拠性」というものがあります。
「依拠性」は、 既存している他人の著作物を利用して創造するという意味です。
個人が創造したオリジナルではなく、そのアイデアなどを利用(依拠)して作品を作った場合には、「依拠性」の有無が裁判で問われます。
分かりやすく言い換えると、「パクリをしたかどうか」ということです。
<例文>
- 依拠性の有無を確認する必要がある。
- この作品は、B作品との依拠性が認められない。従って、著作権を侵害しているとは言えない。
4. 「依拠」の類語と例文
「依拠」の類語は、以下のようなものがあります。
1つずつ見てきましょう。
類語1. 準拠
準拠
読み方:じゅんきょ
意味:ある物事に従う
「準拠」は「依拠」よりも、従っているというニュアンスが強いです。
具体的には、次の違いがあります。
- 「前例に依拠したルール」⇒前例の内容を参考にして作ったルール
- 「前例に準拠したルール」⇒前例の内容に従って作ったルール
「準拠」の例文は以下です。
- 指導要領に準拠した本の制作をお願いします。
- 国際的な基準に準拠して、ルールを作るべきだ。
類語2. 依存
依存
読み方:いぞん
- ある物事に浸ること
- ある物事にしがみつくこと
「依存」は、依存の対象がなくなると成立が危うくなります。
例えば、「母親に依存する人」などと考えると分かりやすいです。
「依拠」と「依存」の違いを見ていきます。
- 「過去の事例に依拠している」⇒過去の事例を参考にしている程度
- 「パソコンに依存した仕事である」⇒パソコンが無いと仕事ができない状況・パソコンにしがみついているイメージ
「依存」を使った例文は、以下の通りです。
- スマートフォンに依存してしまい、常に目が疲れている。
- 父のギャンブル依存症は、どうしたら治せるだろうか。
類語3. 則する
則する
読み方:そくする
- ある物事を手本とし、従うこと
- ある理論や規則に従うこと
「依拠」するよりも、「則する」の方が 従うニュアンスが強いです。
「依拠」と「則する」は、具体的に次の違いがあります。
- 「世界基準に依拠する」⇒世界基準を参考にする程度
- 「世界基準に則する」⇒世界基準に従う
「則する」の例文は、以下です。
- その計画が時代に即していないとは、どういうことか。
- 現実に即した対応をする。
5. 「依拠」の反対語はない?
「依拠」の反対語は、ありません。
近いものをあげると、「依存」の反対語である「独立」「自立」などがあります。
6. 「依拠」の英語表現と例文
「依拠」を英語で表現する場合は、次の2つを使います。
それぞれの英語の意味と例文を見ていきましょう。
英語1. 「dependence」
「dependence」は、次の意味をもっています。
- 依存
- 従属(じゅうぞく)
- 頼み
- 信用
- 憑依(ひょうい)
「dependence」の具体的な例文は、以下です。
- to use dependence as a standard(基準として依拠する)
- It was built on the dependence of building standards.(そのビルは建築基準に依拠して建てられた。)
英語2. 「to rely on」
「to rely on」は、次のような意味をもっています。
- 依拠する
- 頼る
- 頼む
- 期待する
「to rely on」の例文は、以下です。
- something to rely on(依拠するもの)
- to rely on international standards(国際基準に依拠する)
まとめ
「依拠」は、 物事・存在に基づいているという意味です。
著作権の用語として使われている「依拠性」は、他人の著作物を利用して創造することを指しています。
難しく聞こえる単語ですが、例文を読むと雰囲気を掴むことができます。
また、類語の「準拠」「依存」「則する」とはニュアンスが異なるので、状況により使い分けてくださいね。