最終更新日:2020/06/09
「結構です」には「肯定する場合」と「否定する場合」の2つの意味があり、どちらかの意思表示をするときに使います。
しかし、目上の人相手に使うと上から目線だと思われてしまう可能性があります。
この記事では、結構ですの意味、目上の人に使わない方がいい理由、正しい使い方や英語表現まで詳しく解説します。
ぜひ、ご参考にして下さい。
1.「結構です」の意味とは?
まず「結構です」の読み方と意味の説明をします。
「結構です」を使用する前に1つ注意なのですが、以下の例文のように、質問などの会話があって初めて使える言葉です。
【肯定的な意味の例文】
- 「コーヒーでよろしいですか?」(質問)
- 「コーヒーで結構です」
例えば、「コーヒーでよろしいですか?」という問いに対して「コーヒーで結構です」と返事をした場合は、「 コーヒーでいいです」という「それでよいさま、満足であるさま」をあらわす肯定的な言い回しになります。
【否定的な意味の例文】
- 「コーヒーのおかわりはいかがですか?」(質問)
- 「いいえ、結構です」
反対に、「コーヒーのおかわりはいかがですか?」という問いに対して「いいえ、結構です」と答えれば、「 コーヒーはもう必要ない」を表す否定的な言い回しになります。
何も質問されていない状態で「結構です」と使ってしまうと、果たしてどちらの意味で言っているのかが分からず、相手を混乱させてしまいます。
また、相手に自分が思っている言葉の真意を伝えきれない場合があるので注意して下さい。
2.「結構です」はきつい言い方?
「結構です」を使用する際に注意してほしい場面があります。
それは、上司や取引先など、自分より立場が上の方に使用する場合です。
肯定的な意味で「結構です」と使用すると、上から目線で聞こえたり、そう捉えられたりする場合があり、言い方によって相手に厳しい印象を与える場合があります。
ですから、そういう時は「結構です」を使用するのではなく、「はい、どうぞよろしくお願いいたします」や「ありがとうございます」などと答えるようにしましょう。
その他にも「 問題ございません」「 差し支えありません」なども使えます。
否定的な意味で目上の方に「結構です」と使用する分には問題ありません。
ただ、否定的な意味でも、肯定的な意味でも、「結構です」だけで使用するには少し言葉足らずで、不愛想に聞こえるので、話し方のトーンなどの注意が必要です。
3.「結構です」の使い方
では、「結構です」をどのように使用するのか、例文を交えてご説明します。
3-1.肯定の使い方
「結構です」を肯定的な意味で使用する場合、「 構いません」「 大丈夫です」「 問題ありません」などの意味を含みます。
【例文】
3-2.否定の使い方
「結構です」を否定的な意味で使用する場合、「 不必要です」「 もう十分です」「 お断りします」などの意味があります。
【例文】
- 「こちらのDVDをお求め頂いた方限定でCDを半額でご購入いただけますが、ご一緒にいかがですか?」「いいえ、結構です」
- 「この度はこちらの不手際大変申し訳ございません、御社がよろしければまたご一緒にお仕事しませんか?」「申し訳ございませんが、結構です」
- 「こちらの定食はごはんのおかわり自由ですが、おかわりいかがですか?」「お腹いっぱいなので、結構です」
4.「結構です」の類語
「結構です」は肯定と否定の両方を意味を持つ言葉です。
ですので、 自分の意思がはっきりと伝わりにくい場合や、意思表示を明確にしたい場合などには「結構です」を使わず、類語を使うようにします。
4-1.肯定の類語
肯定的な意味の「結構です」の類語には以下のようなものがあります。
- 構いません
- 大丈夫です
- 差し支えございません
「構いません」「大丈夫です」が一般的な言い換えです。
目上の方に対しては、より丁寧な表現である「差し支えございません」を使いましょう。
これらの類語を使うことによって、相手に「それで大丈夫です」という意思を明確に伝えることができます。
【例文】
- 「部長の○○は会議で押しておりまして、もう少々お時間がかかると思うのですが」「構いません」
- 「少々立て込んでおりまして、期限に間に合うか分からないのですが・・・」「大丈夫です」
- 「○○の件はこのまま進めさせてもらっても宜しいでようか」「差し支えございません」
4-2.否定の類語
否定的な意味の「結構です」の類語には以下のようなものがあります。
- 遠慮しておきます
- もう十分です
- お気持ちだけいただきます
何かを依頼された時にやんわりと断る場合や、もう必要ないことを相手に伝えたい場合に、これらの類語を使います。
「結構です」で断ると冷たい印象を与えてしまいますので、なるべくこれらの類語を使うようにして下さい。
【例文】
- 「申し訳ありませんが遠慮しておきます」
- 「こちらの定食はごはんのおかわり自由ですが、おかわりいかがですか?」「もう十分です」
- 「私共からささやかなお礼を差し上げたいと思うのですが」「お気持ちだけいただきます」
5.「結構です」の英語表現
「結構です」を英語で表現するには、肯定の場合と否定の場合で使う単語が異なります。
5-1.肯定の英語表現
「結構です」を肯定的な意味で英語で伝える場合は以下のような単語を使います。
- alright(大丈夫)
- fine(良い)
alrightは「 大丈夫」という意味で、相手に対してそれで大丈夫だと伝えることができます。
fineは「 良い」という意味で、自分はそれで問題がないということを伝える場合に使います。
「alright」や「fine」を使った例文を紹介します。
【例文】
- That’s alright.(それで結構です。)
- That’s fine with me.(私はそれで結構です。)
5-2.否定の英語表現
「いいえ、結構です」の英語表現といえば「 No,thank you.」を思い浮かべる人が多いですが、断る際に「No」を入れてしまうと、相手を突き放してしまう印象があります。
ですので、断る際は「No」は使わないようにしましょう。
否定の意味で「結構です」を表現したいときは以下の単語を使います。
- good(良い)
- OK(良い)
goodとOK、どちらも「 良い」という意味ですが、もう十分だということを相手に伝えることができます。
「good」と「OK」を使った例文を紹介します。
【例文】
- I’m good ,thank you.(もう大丈夫です、ありがとう)
- Thank you , but I’m OK.(ありがとう、でももう大丈夫です)
まとめ
「結構です」という言葉には、 「それで良い」という肯定的な意味と、「必要ない」という否定的な意味の両方があります。
ただ単純に「結構です」と言っても、肯定的な意味なのか否定的な意味なのか、相手に自分の意思をはっきり伝えることができないこともあります。
非常に便利な言葉ではありますが、会話の前後に注意が必要です。
また、目上の方に使用する際は注意が必要です。
言葉が淡白で相手に不快感を与えない言い回しにすることと、使用するシーンをわきまえる必要があります。