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「アーキテクチャ」という言葉は聞いたことはあるけど、どういう意味?と聞かれると、なかなか答えられない言葉ですよね。
「アーキテクチャ」は、 主に建設業界やIT業界、自動車業界で使われる言葉で、「建築学、構造、構成」などの意味があります。
ただし、「アーキテクチャ」という言葉は、業界によって少し意味が異なります。
本記事では、「アーキテクチャ」の意味や各業界での使われ方を、分かりやすく解説していきます。
1.「アーキテクチャ」の意味:「建築学、構造、構成」
アーキテクチャ
英語:architecture
意味:建築学、構造、構成
「アーキテクチャ」は、 「建築学、構造、構成」などを意味する言葉です。
英語の「architecture」からきた言葉で、この単語には「建築、建築学、建築様式」という意味があります。
元々は、建設業界で使われていた言葉ですが、アメリカでコンピュータの設計を表現する時に使われたことを機に、IT業界を始め、様々な業界で使われるようになりました。
どの業界でも多少のニュアンスは違えど、構造や構成を表す時に使われています。
構造と構成は少し意味が異なるので、その違いを簡単に解説します。
1-1.構造と構成の違い
構造と構成の違いを以下にまとめます。
- 構造:どういったモノで出来ているか
- 構成:部品一つひとつがどのように組み合わされて、形成しているか
構造は、何で出来ているのか、という様子をいう時に使う言葉です。
主に、 全体から部品を見る時に使います。
構成は、部品一つ一つがどのように組み合わされて形成しているのか、という様子をいう時に使う言葉です。
主に、 部品から全体を見る時に使います。
構造と構成の違いを例文をもとに確認しましょう。
<例文>
- メガネの構造が知りたい。
(メガネという全体から部品に着目している。) - メガネは、フレームやレンズによって構成されている。
(フレームやレンズといった部品から、メガネという全体に着目している。)
つまり「アーキテクチャ」とは、「何で出来ているか、どのようにできているか」を表すものです。
1-2.「アーキテクチャ」が使われる用語4つ
「アーキテクチャ」という言葉が使われる用語を以下の4つ紹介します。
- ソフトウェアアーキテクチャ
- エンタープラズアーキテクチャ
- システムアーキテクチャ
- マイクロアーキテクチャ
順に、簡単に解説していきます。
① ソフトウェアアーキテクチャ(Software Architecture)
「ソフトウェアアーキテクチャ」とは、ソフトウェアの全体の構造のことを表しています。
つまり、 ソフトウェアがどういった機能を持つのかを表す、設計のようなものです。
例えば、MacのソフトがWindowsで動作しないのは、Macで使われることを想定した設計になっているから、と言えます。
<例文>
新しいソフトウェアを開発する時は、ソフトウェアアーキテクチャを作成してから開発に取り掛かる。
② エンタープラズアーキテクチャ(EA:Enterprise Architecture)
「エンタープラズアーキテクチャ」とは、 組織の目的を効率よく実現するために、組織構造や仕事の手順を最適化するための構造のことを表しています。
例えば、必要な部署を設けたり無駄な仕事を排除して、利益率をアップさせるための戦略設計のようなことです。
<例文>
エンタープライズアーキテクチャを作って、組織の最適化を図ろうと思っている。
③ システムアーキテクチャ(SA:System Architecture)
「システムアーキテクチャ」とは、 システムを構成する要素とその関係を表した、システム全体の構造のことです。
「システムアーキテクチャ」を作ることで、効率よく動作するコンピュータシステムを設計することができます。
※システム:ソフトウェア、ネットワーク、防犯システム、製造システムなどの広いジャンルを表す。
例えば、ネットワークの構造を作る時に使われ、有名なものでTCP/IPプロトコルがあります。
<例文>
システムアーキテクチャをもとに、新しい製造機を作成した。
④ マイクロアーキテクチャ(Micro Architecture)
「マイクロアーキテクチャ」は、 パソコンのCPUなどのハードウェアにおける構造を表しています。
例えば、CPUは「マイクロアーキテクチャ」を参考に作られており、これを見ればCPUの性能が分かります。
<例文>
CPUの世代別のマイクロアーキテクチャを見れば、性能の差が分かる。
2.「アーキテクチャ」という言葉が使われる業界
「アーキテクチャ」という言葉が使われる業界は、主に以下の4つあります。
- IT業界
- 建設業界
- 自動車業界
- ビジネス
順に解説していきます。
① IT業界の「アーキテクチャ」
IT業界では「アーキテクチャ」という言葉がよく使われます。
先程も少し触れましたが、「ソフトウェアアーキテクチャ」「システムアーキテクチャ」「マイクロアーキテクチャ」という言葉が主です。
IT業界における「アーキテクチャ」は、 システムやソフトウェアの設計思想や、基本設計を指す意味で使われています。
つまり、IT業界での「アーキテクチャ」は設計のことを表すことが多いですね。
② 建設業界の「アーキテクチャ」
「アーキテクチャ」という言葉の元が建設業界であるため、もちろんこの言葉が使われています。
「建設業界」における「アーキテクチャ」は、設計はもちろん、建築行為や、デザイン性を表すことにも使われる言葉です。
また、建築物の周りの環境や、暮らしやすさについても含まれる場合があります。
つまり、 「建築物の設計、建築行為、デザイン性、周りの環境、暮らしやすさ」などの全てを含めたものが、建設業界の「アーキテクチャ」です。
③ 自動車業界の「アーキテクチャ」
自動車業界でも「アーキテクチャ」という言葉が使われています。
自動車業界の「アーキテクチャ」は、主に設計を表すことが多いです。
自動車業界では、主に以下の3つに「アーキテクチャ」という言葉が使われています。
- 製品アーキテクチャ
- 車両アーキテクチャ
- コモンアーキテクチャ
①と②は、自動車の製品や車両自体の機能や構造を表した設計です。
③の「コモンアーキテクチャ」は、自動車メーカー「マツダ」が編み出した設計手法で、「コモン」という言葉には、「共同の、共通の」という意味があります。
この「コモンアーキテクチャ」は「全車種を縦軸で統一する」という手法で、コストを抑えて、かつ量産効率を上げるというものです。
このように 自動車業界では、「アーキテクチャ」という言葉が多く使われています。
④ ビジネスの「アーキテクチャ」
経営戦略やビジネスにおいて、「アーキテクチャ」という言葉はよく使われます。
先程説明した、 「エンタープライズアーキテクチャ」がこれにあたりますね。
事業を成功させるために、組織内の構造や必要な作業を見直すことで、効率を高めることを目的として導入されることが多いです。
3.「アーキテクチャ」の英語:architecture
「アーキテクチャ」の英語は、「architecture」です。
「建築学、構造、構成」という意味で使われるほか、建築する行為そのものを表すこともあります。
英語でも、IT業界や自動車業界などの多くの業界で、「構造や構成」を表す言葉として使われています。
「architecture」の例文を以下に紹介します。
<例文>
・The architecture is also used in the IT industry.
(アーキテクチャは、IT業界でも使われいてる。)
・I was studying Architecture.
(私は建築学を学んでいました。)
まとめ
「アーキテクチャ」とは 「建築学、構造、構成」という意味です。
- 構造:どういったモノで出来ているか
- 構成:部品一つひとつがどのように組み合わされて、形成しているか
つまり「アーキテクチャ」とは、 「システムや製品、組織等が何で出来ているか、どのように形成されているのかを表す設計のようなもの」という意味です。
元々は、建設業界で使われていた言葉ですが、今ではIT業界や自動車業界、ビジネスの現場において使われています。
建設業界における「アーキテクチャ」は、建築行為そのものや設計、デザインなどの全てを含めた構造のことを表すことが多いです。
それに比べて、IT業界や自動車業界では、製品やシステムなどの構造を表す時に使われます。
様々な業界で「アーキテクチャ」という言葉が使われているので、この機会にぜひ理解しておいてくださいね。