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「喫緊」は「 切迫し、差し迫っていること」を意味する言葉です。
テレビのニュースなどで「喫緊の課題」という言葉として使われることが多いです。
この「喫緊」の使い方には間違いやすい使い方もあるので、本記事で理解を深め、正しい使い方を身につけるようにしましょう。
また、「緊急」や「近々」などの類語との違い、対義語、英語表現まで徹底解説していきます。
1.「喫緊」の意味
1-1.切迫し、差し迫って重要なこと
喫緊
読み方:きっきん
意味:切迫して、差し迫った状態のこと
「喫緊」の「喫」は元々「きつ」と読みますが、「緊」が後の言葉になるため「※促音」が成立し、「きっきん」と読むことができます。
※促音とは
日本語の音節の1つで、つまるように感じる言葉を指す。
「k(カ行)、t(タ行)、p(パ行)」と「s(サ行)」などの前に用いられ、発音しやすいように「っ」を間に挟む。
例:「k」結果(けっか)、「t」取手(とって)、「p」出発(しゅっぱつ)、「s」冊子(さっし)
漢字を1つずつ見ていくと、「喫緊」の「喫」は、「身に受ける・こうむる」、「緊」には「差し迫る」などの意味などがあたります。
転じて、 差し迫っていて重要なことを指します。
1-2. 「喫緊」の語源は「吃緊」
元々、「喫緊」は「吃緊」という漢字でしたが、「吃」が当用漢字表(雑誌や新聞、法令などで使用する漢字の範囲を指すもの)に記載されなかったため「きっきん」自体が使われなくなりました。
その後、ふなあし(船が水につかっている深さ)を指す「吃水」が「喫水」に書き換えられましたが、「吃」が「喫」と単独で書き換えられたわけではないため、「喫緊」は当用漢字表には記載されていないのが現状です。
2.「喫緊」の使い方・例文
「喫緊」の使い方には、正しい使い方と誤った使い方があります。
正しく使うためには、どういったケースにおいて使うのが正しいのかを確認しましょう。
2-1.正しい使い方は「喫緊の課題」「喫緊の対応」
「喫緊」では、主に「喫緊の課題(問題)」、「喫緊の対応」などの使い方が用いられ、これらは正しい使い方となります。
喫緊の課題(問題)
「喫緊の課題(問題)」の意味は、「 急いで解決しなければならない切迫した課題や問題」という意味となります。
例文は以下のようなものがあります。
- 少子化を食い止めるのは喫緊の課題だ
- 新事業で発生したトラブルの解決は喫緊の課題である
- 高齢化社会への対応は喫緊の課題だ
喫緊の対応
「喫緊の対応」では、「 差し迫っている状況なため対応を急がなければいけない」という意味となります。
実際に例文を見てみましょう。
- このままの人員配置では問題が起きる可能性があるため喫緊の対応が必要だ
- 上司に突然、仕事の変更を言われて喫緊の対応をすべく動き出した
- 契約先のミスでこちらの仕事が滞ってしまったので喫緊の対応を求めた
一見似ているこの2つの使い方ですが、「喫緊の対応」の方が「すぐに取り掛かる必要性が高い」といったように捉えると使いやすいです。
2-2.誤った使い方は「喫緊性」「喫緊の状態」
次に、誤った使い方について紹介していきます。
喫緊性
「喫緊性」という使い方は、「緊急性」と混同して作り出された言葉のようですが、誤った使い方になります。
厳密には 存在しない言葉なので、使用する際は「喫緊の課題」や「喫緊の対応」と使い分けるようにしましょう。
「緊急」という言葉とはまたニュアンスが異なっているため、後ほどその違いについて解説します。
喫緊の状態
「喫緊」の意味は「差し迫った・切迫した」という意味となり、「差し迫った」というのは一種の状態を指します。
なので、「喫緊」のあとに状態をつけて使うことで 意味の重複となってしまうため、使用は控えた方が良いでしょう。
3.「喫緊」の同義語・類語表現
「喫緊」の同義語は以下のようなものがあります。
- 切迫
⇒期日などが迫っており、緊張した状態のこと
- 緊切
⇒ぴったりとくっついて、差し迫った状態のこと
- 火急
⇒火が燃え広がるように、差し迫った状態のこと
- 早急
⇒非常に急いでいる状態のこと
上記の言葉は類語でもあり、「喫緊」の言い換えも可能です。
次は、「喫緊」の類語にもなるけれど、ニュアンスが少し違う言葉の紹介をします。
3-1.「喫緊」と「緊急」の違い
- 喫緊 = 差し迫って急いでいる状態
- 緊急 = 1分1秒も余裕がなく、今すぐに対応しなければならない
緊急の例文・使い方
- 緊急事態が発生したため、中止を余儀なくされた
- 地震が起きたため緊急速報による避難指示が出された
- 緊急性の高い仕事が発生して緊張が走った
上記の例文を見ると、一刻も争えない事態なのがうかがえるかと思います。
3-2.「喫緊」と「近々」の違い
- 喫緊 = 差し迫っている
- 近々 = もうすぐ、近いうちに
「近々」は「喫緊」のように「差し迫った」状態は持たないことが最大の違いです。
近々の例文を見てみましょう。
- 近々、友人が引っ越した家に遊びに行こう
- 近々、新入社員が入社してくるから身を引き締めないといけない
- 近々、近所にできるレストランの評判が気になる
近いうち、近い未来として使うことが多い「近々」は、日常会話でもよく使うと思います。
3-3.「喫緊」と「直近」の違い
- 喫緊 = 差し迫った状態
- 直近 = すぐ近くや傍にあるさま
「直近」も、「すぐ」という意味で言えば同じですが、「喫緊」のように差し迫ったような状態ではありません。
例文を見てみると分かりやすいので、見てみましょう。
- 駅直近に佇むビルの1つが私の会社だ
- 直近一週間の売上は過去最高の成績だ
- 直近にある施工会社は最近できた
ここで注意しておきたいのは、先ほど紹介した一見同じような意味を持つ「近々」との違いです。
未来・過去のことに関して言えるのが直近、未来のことにしか言えないのが近々と、覚えることで使いやすくなると思います。
4.「喫緊」の対義語
「喫緊」の類義語が分かったところで、対義語について見て行きましょう。
「喫緊」の対義語には以下のようなものがあります。
「喫緊」は差し迫った状態のことを指すので、対義語ではのんびりと、気持ちにゆとりを持てる言葉が当てはまります。
5.「喫緊」の英語表現
「喫緊」は英語で「urgent」、「pressing」などがあります。
「喫緊」の使い方で解説した「喫緊の課題」では、「urgent」や「pressing」の後に「issue」や「task」などをつけて使います。
いくつか英文を紹介します。
- Addressing the aging society is an urgent task(高齢化社会への対応は喫緊の課題である)
- It is a pressing task to solve the problem.(トラブルを解決することは喫緊の課題です)
英語表現だと「緊急」という意味でも使われますが、仕事や問題など急を要する時などに使えるため、「喫緊の課題」として使っても問題ありません。
生命や健康を脅かすような緊急時には「emergent」を使うようにすると使い分けることができます。
まとめ
「喫緊」について読み方から語源、使い方、類語、対義語、英語と解説してきました。
最後にまとめてみましたので、おさらいしてみましょう。
- 「喫緊」は「切迫した、差し迫った」という意味で使われる
- 最もよく使われる使い方は「喫緊の課題(問題)」である
- 「喫緊性」や「喫緊の状態」は誤った使い方なので控える
- 「喫緊」と「緊急」では「喫緊」の方がまだ余裕がある状態と捉える
情報がやや多いですが、ちょっとしたニュアンスで伝えたかったことと違うということが発生するやもしれません。
ビジネスシーンでも使うことの多い言葉なので、正しい使い方を覚えてスマートに使いこなしましょう。