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新聞やテレビのニュースなどで「的を射た発言」という言葉を見聞きし、『あれ?それって「的を得た」が正しいのでは!?』と思ったことはありませんか。
「的を得る」は、「要点を的確に捉えている」という意味で使われる慣用句です。
しかしながら、『「的を得る」は実は誤用であり、正しくは「的を射る」である』という説があります。
そこで今回は、「的を得る」と「的を射る」はどちらが正しいのかにフォーカスしてご紹介します。
「的を射る」の使い方・類語についても見ていきましょう。
1.「的を得る」は「的を射る」の誤用ではない!?
「的を得る(まとをえる)」という言葉は本来誤用ですが、最近では使っている人が多いため、日常生活の中で使っても問題はありません。
例えば、「物事の要点をしっかりと理解する」という意味を持つ「要領(ようりょう)を得る」という表現にも似ています。
しかし、『本来、的は「射る」ものであり「得る」ものではない』という解釈があるため、正しい表現は「的を射る」です。
近年では、 『「的を得る」は必ずしも「的を射る」の誤用とは言えない』という考え方が一般的になっているようです。
「的を射る」を使った方が無難
誤用であるとして認識されていた経緯を考えると、スピーチやメディアなどに用いる際は「的を得る」ではなく「的を射る」を使うのが無難です。
日常会話の中では「的を得る」を使っても問題ありませんが、 改まったビジネスシーンでの会話や文章には「的を射る」を用いるように心掛けましょう。
2.「的を射る」の意味とは?
「弓矢で的を射る」ということから「物事の本質を射抜く」、すなわち「要点を的確に捉えている」という意味であることがイメージできますね。
3.「的を射る」の使い方・例文
「的を射る」は、物事の核心をつく鋭い発言や行動について述べる際に用いられます。
誰もが納得するような要点を的確にとらえた意見に対する「褒め言葉」として使われることの多い言葉です。
以下に「的を射る」を使った例文をご紹介します。
<例文>
- 彼の的を射た発言には、いつも感心させられる。
- 私はあの政治家の的を射ない言動に憤りを感じた。
- 今回のプロジェクトに関する上司の指摘は的を射たものだった。
- 的を射た解釈ではあるが、更なる議論の余地がありそうだ。
4.「的を射る」の類語・言い換え表現
「的を射る」には、以下のような類語があります。
- 正鵠を得る(せいこくをえる)
- 核心をつく
それでは、使い方と例文を順にご紹介します。
類語1.正鵠を得る(せいこくをえる)
「正鵠を得る」は「的を射る」と同様に使うことのできる慣用句です。
「正鵠」とは、中国語に由来を持ち、「的の中心」を意味します。
「正鵠を得る」は、その「的の中心」を「うまく捉える」、すなわち 「物事の要点をうまくつかむこと」という意味であり、「的を射る」の語源とも言われています。
「的を射る・得る」と同様に「正鵠を射る」という言葉も存在しますが、戦前までは「正鵠を得る」の方が一般的に使われていたようです。
しかし、戦後になると簡略化されたのか、次第に「正鵠」という言葉は影を潜め、「的を射る」という表現が市民権を得るようになったようです。
「正鵠を得る」→「正鵠を射る」→「的を射る」という流れで変化したという説が有力ですが、「正鵠を得る」からの変化ならば「的を得る」の方がむしろ原形に近いと言えそうですね。
<例文>
昨日の会議での彼女の発言は、どれも正鵠を得たものだった。
類語2.核心をつく
核心をつく
読み:かくしんをつく
意味:物事の最も重要な部分をピンポイントに攻めることを意味する語。議論の根幹に言及する、論理の要となる部分を追及するといった意味合いでも用いられる。
(引用:weblio辞書)
「核心」は「物事の中心となる大切なところ」を意味する言葉です。
「つく」は、本来「先のとがった物で一つの場所を勢いよく刺す、または強く当てる」という意味であり、漢字では「突く」「衝く」「撞く」などと表されます。
「核心をつく」の「つく」には、「鋭く指摘する・攻める」というニュアンスが含まれています。
「核心をつく」は「的を得る」と同様に使うことのできる表現です。
<例文>
会議中の核心をついた意見が評価され、社内での彼の株が上がった。
まとめ
「的を射る」は「物事の要点を的確に捉えている」「物事の本質を突いている」という意味で使われる言い回しです。
日本語の誤用として「的を得る」がありますが、日常会話では使っても問題はありません。
しかし、 誤用だと世間に認識されていた事実を考慮に入れると、ビジネスシーンにおいては「的を射る」を使う方が無難です。