「的を得る」は間違い!?「的を射る」の意味・使い方・類語を解説!

的を得るの意味とは ビジネス用語

新聞やテレビのニュースなどで「的を射た発言」という言葉を見聞きし、『あれ?それって「的を得た」が正しいのでは!?』と思ったことはありませんか。

「的を得る」は、「要点を的確に捉えている」という意味で使われる慣用句です。

しかしながら、『「的を得る」は実は誤用であり、正しくは「的を射る」である』という説が存在し、長い間議論が繰り広げられています。

今回は、「的を得る」と「的を射る」はどちらが正しいのかにフォーカスした上で、「的を射る」の使い方・類語・英語表現について解説いたします。

1.「的を得る」は「的を射る」の誤用ではない!

「的を得る(まとをえる)」という慣用句は一般的に使われており、市民権を得ている表現だと言えます。

しかし、『本来、的は「射る」ものであり「得る」ものではない』という考えの元に、「的を得る」は誤用だという解釈がされていました。

ところが、「得る」には「入手する」という意味以外にも「理解する」「捉える(とらえる)」という意味を持っています。

例えば、「物事の要点をしっかりと理解する」という意味を持つ「要領(ようりょう)を得る」という表現がありますね。

この表現に用いられる「得る」も「理解する」という意味合いで使われています。

近年では、 『「的を得る」は必ずしも「的を射る」の誤用とは言えない』という考え方が一般的になっているようです。

1-1.三省堂国語辞典の謝罪

元々「三省堂国語辞典」には、以下のような内容が記載されていました。

「的を得る」は誤用であり、正しくは「的を射る」である。

権威ある辞書の中の言葉の影響は大きく、「的を得る」は誤用だという説はどんどん世間に広まっていきました。

しかし、2013年に刊行された『三省堂国語辞典』第7版では「的を得る」が独立した子見出しに立てられました。

「的を得る」の「得る」は「うまく捉える」という意味だという結論に至ったという訳です。

そして、「三省堂国語辞典」の編集委員である飯間氏がツイッター上にて、以下のような謝罪をしました。

『三省堂国語辞典』第7版では、従来「誤用」とされていることばを再検証した。

「的を得る」は「的を射る」の誤り、と従来書いていたけれど、撤回し、おわび申し上げます。

このような出来事を背景に、「的を得る」は、今後更に認められていく可能性のある言葉と言えるでしょう。

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  • 1-2.広辞苑に「的を得る」は載っていない

    日本を代表する国語辞典である「広辞苑」には、「的を得る」は採録されていません

    「三省堂国語辞典」において一時正しいとされた「的を射る」でさえも、1991年刊行の『広辞苑4版』にて初めて採録されました。

    1-3.「的を射る」を使った方が無難

    誤用であるとして認識されていた経緯を考えると、スピーチやメディアなどに用いる際は「的を得る」ではなく「的を射る」を使うのが無難です。

    日常会話の中では「的を得る」を使っても問題ありませんが、 改まったビジネスシーンでの会話や文章には「的を射る」を用いるように心掛けましょう

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  • 2.「的を射る」の意味とは?

    的を射る

    読み:まとをいる

    意味:要点を的確に捉えているさま

    「弓矢で的を射る」ということから「物事の本質を射抜く」、すなわち「要点を的確に捉えている」という意味に転じたことがイメージできますね。

    3.「的を射る」の使い方・例文

    「的を射る」は、物事の核心をつく鋭い発言や行動について述べる際に用いられます。

    誰もが納得するような要点を的確にとらえた意見に対する「褒め言葉」として使われることの多い言葉です。

    以下に「的を射る」を使った例文をご紹介します。

    <例文>

    • 彼の的を射た発言には、いつも感心させられる。
    • 私はあの政治家の的を射ない言動に憤りを感じた。
    • 今回のプロジェクトに関する上司の指摘的を射たものだった。
    • 的を射た解釈ではあるが、更なる議論の余地がありそうだ。
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  • 4.「的を射る」の類語・言い換え表現

    「的を射る」には、以下のような類語があります。

    • 正鵠を得る(せいこくをえる)
    • 核心をつく

    それでは、使い方と例文を順にご紹介します。

    類語1.正鵠を得る(せいこくをえる)

    正鵠を得る

    読み:せいこくをえる

    意味:物事の要点をうまくつかむこと

    「正鵠を得る」は「的を射る」と同様に使うことのできる慣用句です。

    「正鵠」とは、中国語に由来を持ち、「的の中心」を意味します。

    「正鵠を得る」は、その「的の中心」を「うまく捉える」、すなわち 「物事の要点をうまくつかむこと」という意味であり、「的を射る」の語源とも言われています。

    「的を射る・得る」と同様に「正鵠を射る」という言葉も存在しますが、戦前までは「正鵠を得る」の方が一般的に使われていたようです。

    しかし、戦後になると簡略化されたのか、次第に「正鵠」という言葉は影を潜め、「的を射る」という表現が市民権を得るようになったようです。

    「正鵠を得る」→「正鵠を射る」→「的を射る」という流れで変化したという説が有力ですが、「正鵠を得る」からの変化ならば「的を得る」の方がむしろ原形に近いと言えそうですね。

    <例文>

    昨日の会議での彼女の発言は、どれも正鵠を得たものだった。

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  • 類語2.核心をつく

    核心をつく

    読み:かくしんをつく

    意味:物事の本質や重要な部分に触れること

    「核心」は「物事の中心となる大切なところ」を意味する言葉です。

    「つく」は、本来「先のとがった物で一つの場所を勢いよく刺す、または強く当てる」という意味であり、漢字では「突く」「衝く」「撞く」などと表されます。

    「核心をつく」の「つく」には、「鋭く指摘する・攻める」というニュアンスが含まれています。

    「核心をつく」は「的を得る」と同様に使うことのできる表現です。

    <例文>

    会議中の核心をついた意見が評価され、社内での彼の株が上がった。

    4-3.「当を得る(とうをえる)」は同義語ではない

    当を得る

    読み:とうをえる

    意味:道理にかなっていること

    「当を得る」は、「的を射る」の同義語として間違われることの多い言葉です。

    「当」は「道理にかなうこと」を意味する言葉であり、例えば「当を得た話」と言えば、「筋の通った話」という意味を表します。

    「的を射る」は「要点を的確に捉えていること」を意味し、「当を得る」は「道理にかなっていること」を表します。

    この違いをしっかりと理解した上で、状況に応じて使えるといいですね。

    <例文>

    彼の当の得た答えに、その場にいた者すべてが納得したようだった。

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  • 5.「的を射る」の英語表現

    「的を射る」という言葉を表す英語表現は 「hit the nail on the head」です。

    ここでの「nail」は、「爪」ではなく「釘」を指します。

    直訳をすると「釘の頭を打つ」であり、すなわち「小さな的をうまく打つ」といった意味合いを持ちます。

    釘の頭をハンマーで正確に打つイメージから、「的を射る」「核心をつく」という意味の慣用句として広く使われている表現です。

    <例文>

    • Wow! You have absolutely hit the nail on the head.

    (すごい!君は的を得ているね。)

    • He hit the nail on the head when he said that.

    (彼がそれを言ったとき、まさに的を得ていた。)

    まとめ

    「的を射る」は「物事の要点を的確に捉えている」「物事の本質を突いている」という意味で使われる言い回しです。

    日本語の誤用として『「的を得る」は誤りであり、正しくは「的を射る」だ。』という説が存在し、長い間議論が繰り広げられています。

    しかし、「的を得る」は一般的に十分定着している言い回しであり、三省堂国語辞典の謝罪騒動以来、誤用ではないという認識が広まりつつあります。

    そのため、「的を得る」を使っている人に対して『それは間違いで、正しくは「的を射る」だ!』と指摘することはおすすめできません。

    しかしながら、 誤用だと世間に認識されていた事実を考慮に入れると、ビジネスシーンにおいては「的を射る」を使う方が無難だと言えるでしょう。

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