最終更新日:2020/06/26
目上の方やお客様など、 社外とのやりとりを行なっていると、相手の方の疑問や要求を聞いたり受け付けたりする必要があります。
そんな時によく使う「お申し付けください」ですが、実際に使おうとすると「日本語として使えてるかな?」と不安に思う時がありますよね。
そこで今回は、「お申し付けください」の正しい意味や使い方を、例文を使いながらわかりやすく解説して行きます。
知らず知らずのうちに間違った日本語を使うことがないように、ぜひチェックしてください。
1、「お申し付けください」の使い方
「お申し付けください」を使用することで、相手の方の要求を受け付けることができます。
一体どのように使用すれば良いのでしょうか?
ここでは「お申し付けください」の意味と例文を交えながら、使い方を紹介します。
「お申し付けください」の意味
「お申し付けください」は、「言ってください」を謙譲表現したものになります。
謙譲語にすることで、「言ってください」をへりくだった言い方にすることができます。
主に相手に質問や要求を促す際に使用されることが多いです。
積極的にこれらを促すことで、サービス精神があることをアピールすることができます。
それでは、どのように使用すれば良いのでしょうか?
「お申し付けください」の例文
ここでは、「お申し付けください」の例文をいくつか紹介します。
使用する場合にはこれらの文を参考にしてみてください。
例文1、「疑問がございましたら何なりとお申し付けください」
相手の方への説明が終わった時に、質問を促すために使用されます。
自分から質問はありませんか?と尋ねることで、質問の時間にスムーズに移ることが可能です。
また、中には自分から質問をすることができない方もいらっしゃいます。
そういった方のためにも、 説明が終わったら質問ができるように一言述べるようにしておきましょう。
また、質問が無かった場合でも「質問はございませんでしょうか?」と繰り返し質問が無いか聞くようにすると良いですね。
「〜についてのご相談は窓口にお申し付けください」
主に電話での質問のやりとりやホームページのQ&Aなどに使用される表現です。
自分の担当以外の質問などが来た場合には、この文章を使って専門の部署に任せることができます。
文頭に「申し訳ございません」をつけることで、失礼なく表現できるため良いですね。
ただし、口頭で使用する場合には、「すみません」を使用しないようにしましょう。
「すみません」はお客様に対する丁寧さに欠けます。
また、ホームページなどに使用すれば、相談窓口や関連ページに閲覧者を誘導することも可能です。
「お申し付けくだされば、こちらで対応いたします」
先にこの一言を付け加えることで、相手の要求を聞き出すことができます。
質問よりも具体的なお願いを聞き出したい場合に使うことが多いです。
こちらから能動的に動きたい場合などにも使用できる表現になっています。
相手の方が困っているようであれば、「お申し付けくだされば、〜に関してはこちらで対応いたします」のように、先に悩みを聞き出してあげると良い印象を得られます。
この文章を使って、自分から悩みを伺ってみてください。
2、「お申し付けください」は身内には使わない
「お申し付けください」はお客様などの外部の方に使用する表現になります。
身内には、同僚や後輩はもちろん、上司にもあまり適した表現とは言えません。
身内には適した表現を使用する必要があります。
例えば、「何かあったら言ってください」や「連絡をください」などを使用すると良いでしょう。
同僚や後輩にも、丁寧語でなくても良いので、これらの表現を使用するのが適しています。
上層部の方には「何かあれば連絡をお願いします」のように、もう少し丁寧な表現をすると印象がよくなるため、おすすめです。
3、「お申し付けください」の類義語
「お申し付けください」にも類義語が存在します。
それぞれ適した表現があるため、場面によって使い分けることが必要です。
これらの表現も覚えておくと、社外での仕事やビジネス文書を書く際に役に立つでしょう。
「お問い合わせください」
主にビジネスメールや電話、雑誌や週刊誌といったメディアなどでよく見る表現だと思います。
各種申し込みや詳しい情報の提示など、 より詳細なことを説明するのには別の手段が好ましい…といった場合に使用されます。
例えば雑誌から電話やメールで応募をしてほしい場合には、「お問い合わせは電話・またはメールからお問い合わせください」といった感じに使用することが可能です。
他にも窓口や◯課など、様々な場所へ誘導する場合にも使用することができます。
「仰せ付けください」
「お申しつけください」と同じ意味を持った「仰せ付けください」といった表現があります。
「言いつける」を尊敬語で表現したものです。
「お申し付けください」よりもかしこまった言い方ができるため、 より高い地位の方の要求を伺う場合に使用します。
しかし、少し大げさな表現であるため、使用される例は少なめです。
特別な理由がなければ、会社の内外問わず「お申し付けください」で大丈夫でしょう。
「お引き受けいたします」
業務委託など、何か仕事を依頼された場合に使用する表現です。
この一言を添えることで、正式に仕事を受諾したことをお客様に意思表示することができます。
「喜んで」や「ぜひ」を文頭に持ってくると、より良い印象を与えることが可能です。
よく「お引き受けさせていただきます」といった表現を見かけますが、これは間違った表現なので気をつけましょう。
4、「お申し付けください」の英語表現
お客様は日本人とは限りません。
海外から来るお客様もいらっしゃる可能性もあります。
そんな場合でも、英語表現を覚えておけば役に立つでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
例文1、「お困りのことがあれば何なりとお申し付けください」
例文1を英訳すると、
この表現を使用すれば、 海外の方の要望や質問なども受け付けることができるようになります。
決まり文句のような使い方ができるため、これをまるごと覚えておくと良いでしょう。
また、仕事以外でも海外の方と助け合う場合に使用することもできます。
海外との繋がりを作るためにも、この例文は覚えておきたいところです。
例文2、「〇〇です、何なりと申しつけください」
例文2を英訳すると、
となります。
自己紹介も兼ねており、初めて会った方に使用できる表現です。
初めて特定のお客様担当になった場合に使用できる表現であり、よろしくおねがいしますといった意味合いも含まれています。
「分からないことや疑問点などございましたら〜」や「いつでも」などを付け加えると良いでしょう。
その場合の英文は、「I am always at your service」となります。
5、まとめ
今回の内容で覚えてほしいポイントは以下の5つです。
- 「お申し付けください」は相手の方に質問や要求を聞きたい場合に使用する
- 積極的に悩みを聞いて上げることで、サービス精神があることをアピールできる
- 「お申し付けください」は身内には使用できない
- 「お問い合わせください」などの類義語も使い分ける
- 英語表現を覚えておくと良い。「Please ask me〜」は覚えておくと役に立つ
「お申し付けください」を使用する場合にはこれらに意識しましょう。