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「美人局」とは男女で共謀した恐喝や詐欺のことを意味します。
新聞や雑誌などで見ることのある言葉ですが、正しい意味や由来はよく分かりませんよね。
今回は、「美人局」の意味や語源、そして、どんな手口の犯罪なのかも詳しく解説していきます。
日常会話でもよく出てくる言葉ですので、しっかりと覚えておきましょう。
1.「美人局」の意味
1-1.意味は「男女で共謀した恐喝・詐欺」
読み方:つつもたせ
意味:男性が妻や恋人関係にある女性に他の男を誘惑させて、言いがかりをつけて金銭をゆすり取ること。
「美人局」は男女が共謀して被害者を誘惑し、知らないふりをした男が「自分の妻を誘惑した」と恐喝して金品を巻き上げる犯罪行為を意味します。
「美人局」を仕掛けるのは夫婦に限りません。
恋人同士や、交際をしていない男女が共謀してい行う場合でも、このような行為は「美人局」と呼ばれます。
日本では鎌倉時代には「美人局」の事例が見られ、武士を社会的に貶める罠として利用されていました。
当時は男女の不倫は厳しく取り締まられ、「美人局」に引っかかった武士は家禄を取り上げられたり島流しにされたりしたそうです。
1-2.「びじんきょく」は間違い
「美人局」は漢字をそのまま読むと 「びじんきょく」と読んでしまいそうですが、間違いです。
うっかり「びじんきょく」と読んでしまうと恥ずかしい思いをしますので注意しましょう。
2.「美人局」の語源
2-1.もともとは中国の言葉
「美人局」はもともと、中国で元の時代から使われていた言葉です。
現在日本で使われている意味と同じで、男女の関係を利用した犯罪を表す言葉として使われました。
2-2.ばくち用語「筒持たせ」
日本語の 「つつもたせ」の語源は、昔の日本でばくち打ちが使っていた「筒持たせ」という言葉です。
「筒」とはサイコロを使うばくちで用いられていた道具であり、中にサイコロを入れて振るために使われていました。
細工をした筒を用意することを「筒持たせ」といい、ばくちでイカサマすることを指します。
転じて広い意味の詐欺を表す際に使われ、男女関係の詐欺についても用いられるようになりました。
その後、中国語の「美人局」の読み方として、日本語の「つつもたせ」が定着したと言われています。
尚、「筒」は男性器や女性器を表す隠語で、もともと男女の詐欺を意味していたという説もありますが、立証はされていません。
3.「美人局」の犯罪手口と特徴
3-1.「美人局」の手口
「美人局」の手口は時代とともに変化し、数えきれないほどのパターンがあります。
ここでは 代表的な手口を3つ紹介しますので、「美人局」に引っかからないように参考にしてくださいね。
①居酒屋で知り合う手口
古くから使われる手口で、1人で飲んでいる男性に女性が近づき、誘惑します。
お酒の力もあり、判断力が鈍っているところに付け込まれるとなかなか断ることはできません。
連れだって店から出てきたところを、夫役の男性が発見し「自分の妻を誘惑した」と慰謝料を請求されるのがよくあるケースです。
1人でお酒を飲むのが好きな方は、狙われる可能性があるため特に注意してください。
②出会い系サイトやSNSを利用する手口
インターネットが発達した現代では、出会い系サイトやSNSを利用した手口が急増しています。
時間や場所など都合のよい相手を探しやすく、美人局を仕掛けるのが容易になため狙われるのでしょう。
出会い系サイトの場合、被害男性が結婚しているケースも多く、弱みを握られやすいのも一因と言えます。
指定された面会場所に行くと、夫役の男性が出てきて恐喝されるという流れです。
脅しやすい人気のない場所を指定されることが多いため、そのような場合は場所を変更するなどの対策をしましょう。
③18歳未満を利用する手口
未成年者に18歳以上だと偽らせ、男性を誘惑する手口です。
関係を持った後で未成年だということを明かし、弱みを握ることで金銭を払わせるという、脅迫罪に当たるケースですね。
被害男性にも、「未成年と関係をもったことで罰せられるかもしれない」という罪の意識を持たせることで、通報を防ぐ巧妙な手口です。
真面目なサイトで出会った女性でも、妙に若い感じがする場合は警戒したほうがいいかもしれません。
場合によっては身分証を見せてもらうなど、万が一を考えて行動するようにしましょう。
このように、美人局の罠は意外と私たちの近くにもあるものです。
危険なサイトを利用したり、怪しい話には乗らないようにして「美人局」の被害にあわないよう気を付けましょう。
3-2.「逆美人局」も存在する
男性が女性をターゲットにして恐喝する「逆美人局」の事例も報告されています。
出会い系サイトやSNSのほかに、結婚相談サイトなどを利用したケースも見られますので注意してください。
真剣に結婚を考えている女性が男性と関係を持ったものの、実はその男性は既婚者であり、女性側が慰謝料を請求されるというケースが多いようです。
3-3.「美人局」に該当する罪
犯罪行為である「美人局」は、現代の法律に当てはめると、 次の3つの罪に問われる可能性があります。
- 詐欺罪
- 脅迫罪
- 恐喝罪
それぞれどのような内容で、どれくらいの罰を受けるのか1つずつ見ていきましょう。
【詐欺罪】
相手をだまして金銭をだまし取ったり、利益を得たりする行為は詐欺罪に該当し、10年以下の懲役となる。
【脅迫罪】
「お金を払わないと家族に暴露する」などと相手を怖がらせると脅迫罪になり、2年以下の懲役または30年以下の罰金となる。
【恐喝罪】
暴力と脅迫を使って相手を怖がらせ、金銭を奪い取る行為は恐喝罪になり、10年以下の懲役となる。
このように「美人局」は10年以上の罪に問われることもある、重い犯罪です。
万が一「美人局」の被害にあってしまったら、 迷わず警察や弁護士に相談しましょう。
4.「美人局」の英語表現・例文
「美人局」は外国でも同様の手口で行われることがあります。
英語で「美人局」を表現する場合の例文を見てみましょう。
英語1.badger game
「badger game」は女性をおとりにしてお金をだまし取ることを言い、「美人局」と同じ意味です。
「badger」はアナグマを表す言葉であり、18世紀に行われいたという「犬をけしかけてアナグマと戦わせる遊び」に由来していると言われています。
「badger game」は、一般的ではなく専門的な言い回しであるため、使う場合は注意しましょう。
<例文>
- Be careful as it is a badger game.
(それは美人局だから気を付けろ。)
- The couple laid the badger game.
(その夫婦は美人局を仕掛けた。)
英語2.a kind of honey trap
「a kind of honey trap」は直訳すると「一種のハニートラップ」となり、 広い意味で「美人局」を表現するのに使えます。
「ハニートラップ」という言葉は、日本でも聞き馴染みがありますよね。
「美人局」は金品をだまし取るのが目的ですが、「ハニートラップ」は情報を得るのが目的です。
女性が誘惑するという手口は同じですが、その目的が違うため、「a kind of(~の一種」を付けて「ハニートラップの一種」というように表現します。
「ハニートラップ」と「美人局」の違いを分かりやすくするためには、お金のやり取りがあったという事実を説明すると良いでしょう。
<例文>
- I robbed his money by setting a kind of honey trap.
(僕は美人局で彼のお金を奪い取った。)
- He was the victim of a kind of honey trap and the amount of damage was large.
(彼は美人局の被害者であり、その被害額は大きかった。)
まとめ
「美人局」は「女性を利用して男性を誘惑し、恐喝して金銭を巻き上げる行為」を意味します。
「美人局」の正しい読み方は「つつもたせ」です。
新聞や週刊誌などにもよく登場する言葉ですので、「びじんきょく」と読んで恥をかかないように気を付けましょう。
「美人局」の正しい意味や由来を覚え、ボキャブラリー豊かな社会人を目指しましょう。