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「勘案」とは、「いろいろと考え合わせること」を意味する言葉です。
「総合的に勘案しました」というように、複数の事情を踏まえて総合的に答えを出した時に使われるのが一般的です。
日常会話で使うことは少ないですが、ビジネスシーンや公的な文章では使われることが多いので、社会人なら身につけておきたい言葉ですね。
そこで今回は、「勘案」の詳しい意味や正しい使い方を、例文を見ながら分かりやすく解説していきます。
1.「勘案」の読み方と意味
「勘案」は『かんあん』と読み、『あれこれと考え合わせること。勘考』(引用:weblio辞書)という意味があります。
それぞれの漢字の意味も、1つずつ見ていきましょう。
- 「勘」:物事の意味やよしあしを直感的に感じとり、判断する能力。
- 「案」: 考えた内容。計画。
(引用:weblio辞書)
「勘案」を構成する漢字には、上記の意味があります。
そのため、「勘案」は「深く考える、比べて考える、調べる」と汲み取ることができ、「いろいろと考え合わせること」を表す言葉となります。
2.「勘案」の使い方と例文
意味を確認したところで、「勘案」の使い方と例文を見ていきましょう。
「勘案」は、「諸事情を勘案する」など、複数の要素を踏まえて総合的に判断するという意味を伝えたいときに使います。
「勘案する」「勘案して」「勘案の上」「勘案した上で」「総合的に勘案する」などといった表現で使われることが多いです。
それでは、「勘案」を使った例文を紹介します。
- 調査やヒアリングなどを実施した場合には、それらの結果を勘案する。
- システム復旧の重要性と緊急性を勘案して、緊急時対応計画を立案する。
- 諸事情を勘案の上、今後の対応を検討する。
- 双方の事情を勘案した上で、最適な方針を決定する必要がある。
- 経済状況等を総合的に勘案しながら、今月中に判断する予定だ。
複数の要素を考え合わせる、という意味がイメージできたでしょうか。
3.「勘案」は敬語として使える?
「勘案」を敬語表現にすると、目上の人に使うことができます。
- 尊敬語:目上の人に使う
- 謙譲語:自分に対して使い、自分がへりくだる(下げる)ことで相対的に相手を立てる
- 丁寧語:「です」「ます」をつけ、相手を問わずに使える
「勘案」を敬語として使う場合、接頭語の「ご」を付けて 「ご勘案」にすると尊敬語になります。
◆「勘案」を尊敬語でいう場合
- 「ご勘案ください」
- 「ご勘案いただき〜」
「勘案」を謙譲語として使う場合、 「〜いたします」「〜させていただきます」という言い回しを使います。
◆「勘案」を謙譲語で言う場合
- 「勘案いたします」
- 「勘案させていただきます」
このように、目上の人に「勘案」を使う場合は、敬語表現をうまく使うと失礼がありません。
続いては、「勘案」の類義語を確認していきましょう。
4.「勘案」の類義語
「勘案」は公的な文章などに使われる言葉なので、日常会話で使われることはほとんどありません。
では、「勘案」を類語で言い換えて使う場合は、どのような言葉が当てはまるのでしょうか。
「勘案」の類義語には、以下のようなものがあります。
- 熟考(じゅっこう)
⇒念を入れてよく考えること。熟慮。
例文:「熟考を重ねる」「熟考した上での行動」 - 考察(こうさつ)
⇒物事を明らかにするために、よく調べて考えをめぐらすこと。
例文:「深い考察を加える」「日本人の社会意識について考察する」 - 考慮(こうりょ)
⇒さまざまな物事に思いを巡らせて考えること、考えのうちに含めることなどを意味する表現。
例文:彼の年齢を考慮しなければならない - 検討(けんとう)
⇒検討(けんとう)とは、物事をよく調べて考えること。また、それでいいのかどうか、物事のよしあしを色々な角度からしっかり考えることをいう。
例文:利点と不利な点を比較検討する
どの言葉も、「勘案」と同じように、「じっくり物事を考えて答えを出す」という意味合いを持っています。
ただ、「勘案」と少しだけニュアンスが異なる類語がありますので、使い分けの方法を解説します。
「勘案」と「考慮」の違いは?
「勘案」と「考慮」の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 勘案:あれこれと考え合わせること。勘考
- 考慮:さまざまな物事に思いを巡らせて考えること、考えのうちに含めることなどを意味する表現。
(引用:weblio辞書)
「考慮」は「勘案」とほぼ同じ意味で使われます。
しかし、「勘案」が複数の要素に対して使うのに対し、「考慮」には「判断・行動の前に、いろいろな要素を考え合わせること」という意味があります。
その他にも、「思いめぐらすこと」という意味もあるため、 要素が1つでも複数でも使える言葉です。
一般的には、「考慮」の方がよく使われるでしょう。
「勘案」と「検討」の違いは?
「勘案」と「検討」の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 勘案:あれこれと考え合わせること。勘考
- 検討:さまざまな物事に思いを巡らせて考えること、考えのうちに含めることなどを意味する表現。
(引用:weblio辞書)
「検討」の方が、 「物事を詳しく調べる」「よいかどうかを調べて判断する」という意味合いが強くなります。
一般的には、「検討」の方がよく使われる言葉です。
まとめ
ここまでの解説をまとめます。
- 「勘案」の意味は「いろいろと考え合わせること」
- 尊敬語では「ご勘案ください」、謙譲語では「勘案いたします」などの形で使う
- 類義語は「考慮」「検討」「熟考」など
類義語との違いを踏まえて、ビジネス文書などで「勘案」を使ってみてください。