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「整合性」は、 「矛盾がなく一貫性のあること・ズレがないこと」という意味です。
ビジネスシーンでは、「整合性がないな」と指摘されたり、「整合性を図るように」と指示されたりする場面があります。
今回は、「整合性」の意味や使い方、類語・対義語まで詳しく紹介していきます。
1.「整合性」の意味とは
「整合性」の読み方と意味を紹介していきます。
「整合」は「整」と「合」という漢字で成り立っており、それぞれの意味は以下の通りです。
このように漢字からも 「一貫性をもった矛盾のない様子」がイメージできます。
「整合性がある/ない」とは
「整合性がある」「整合性がない」「整合性をとる」という言い方を聞く機会もあるのではないでしょうか。
それぞれの表現の意味を、以下で確認してみましょう。
- 【整合性がある】⇒一貫性があること、ズレがなく合っていること
- 【整合性がない】⇒ズレが生じており一貫性がないこと
「整合性がある/ない」の場合は、主語は人や物、状況などあらゆるものになります。
これは意図的に「整合性」を図っているわけではなく、結果的に「ズレがない/ある」というニュアンスです。
一方「整合性をとる」の言い方は、「(○○が)整合性をとる」というように主語が人になりますので、意図的に「一貫性」を持たせるようまとめていく意味合いになります。
2.「整合性」の使い方
「整合性」は以下のフレーズで使われます。
- 整合性がある/ない
- 整合性を図る
- 整合性を保つ
「整合性がある/ない」は、後に「人」や「物」といった名詞を続けて「整合性がある/ない○○」のようにも使える表現です。
「整合性がある/ない」の表現は日常でも耳にする機会はあります。
一方 「整合性を図る」や「整合性を保つ」は、やや堅い表現なので、多くはビジネスなどのフォーマルなシーンで使われます。
では以下の例文で「整合性」の使い方を確認してみましょう。
<例文>
- 今年の文化祭の出し物は、テーマとの整合性があって良い。
- いつも言っていることが違うと、整合性のない人だと思われて信頼を失うよ。
- お客様に不安を与えないよう、整合性を図った提案にしてほしい。
- 前回の企画書の整合性を保ったまま、改善案を出してくれ。
それでは次は「整合性」の類語、対義語について紹介していきます。
3.「整合性」の類語
「整合性」の類語表現には、以下の言葉があります。
「整合性」は日常会話では硬い表現に聞こえるため、類語を用いて自然にニュアンスを伝えてみましょう。
一貫性(いっかんせい)
「一貫性」の意味は、以下の通りです。
一貫性とは、最初から最後まで、ブレずに芯が通っていることである。人間が自分の行動や言動などを、一貫性のあるものにしたいという心理のことを「一貫性の原理」と言う。
一貫性は、英語では consistency と表現する。
(引用:weblio辞書)
「一貫性がある/ない」「一貫性を持つ」「一貫性が欠ける」というフレーズで使われます。
「一貫性」を持つことは、どういう時でも一つの意思を貫いていたり、態度がいつも変わらない誠実な意味合いです。
一方「一貫性」を欠くことは相手に不信感を与えやすく、信頼を失いやすいです。
「整合性」と「一貫性」には以下の違いがあります。
整合性 | 一貫性 | |
意味合い | 総合的にズレがなくまとまっている | 1つのことに対して筋が通っている |
以下で「一貫性」を用いた例文を見ていきましょう。
<例文>
- 君の資料は、いつも一貫性があって読みやすいよ。
- 彼は会うたびに言うことがころころ変わって、一貫性がない。
辻褄(つじつま)が合う
「辻褄が合う」の意味は、以下の通りです。
「辻褄」の「辻」は「裁縫の縫い目がクロスで合わさる部分」という意味があり、「褄」は「着物の左右の袖がぴったりあう部分」という意味です。
それぞれの漢字からも「矛盾なくしっかり合っている」という意味が分かります。
「整合性」と「辻褄が合う」には以下のような違いがあります。
整合性 | 辻褄が合う | |
意味合い | 総合的にズレがなくまとまっている | 2つの事柄の間で筋が通っている、ズレがない |
では例文で「辻褄が合う」の使い方を確認してみましょう。
<例文>
- 2人の証言は辻褄が合っていたので、信用できそうだ。
- 朝起きると窓ガラスが割れていた。昨晩、弟がそわそわしていた態度と辻褄が合いそうだ。
4.「整合性」の対義語
「整合性」の反対は 「ズレがある」です。
「整合性」の反対語として使われる言葉には、以下のものがあります。
では、それぞれの単語を詳しく確認してみましょう。
矛盾
「矛盾」は「 物事の前後で一致しないこと、辻褄の合わない様子」という意味です。
ほことたて。
昔、中国の楚の国で、矛(ほこ)と盾(たて)とを売っていた者が、「この矛はどんなかたい盾をも突き通すことができ、この盾はどんな矛でも突き通すことができない」と誇ったが、「それではお前の矛でお前の盾を突けばどうなるか」と尋ねられて答えることができなかったという
二つの物事がくいちがっていて、つじつまが合わないこと。
(引用:weblio辞書)
「矛盾」は「整合性」の反対語、つまり「整合性がない」という意味で使われやすい言葉ですが、正確には以下のような違いがあります。
整合性がない | 矛盾 | |
意味 | ズレが生じており一貫性がないこと | 物事の前後で一致しないこと |
ニュアンス | 総合的にまとまっていない様子 | 話の前後で主張にズレがある様子 |
このように「整合性がない」の場合は、物事を全体的に見た時にポイントがまとまっていない様子です。
一方「矛盾」の場合は、同じ話の前後で主張が食い違っていることを指します。
例えば、以下の例文では話の前後で言い分が食い違っているわけではないので、「整合性がない」というのが正しい表現です。
<例文>
- 今度の商品は低価格を売りにしょう。(前)
- だからこのカラー展開が良いと思う。(後)
一方、以下の例文では前後で主張が変わってしまっているので、「矛盾」となります。
<例文>
- 今度の商品は低価格を売りにしよう。(前)
- 使う素材は一番高いシルクを使おう。(後)
筋が通らない
「筋が通らない」は、 「道理に合っていない、物事が正しく行われない」という意味です。
「道理」とは「物事の正しい順序、人として行うべき正しいこと」です。
そのため、他人から批判されるようなことをした際に「筋が通ってない」と表現されます。
また、自分の発言に沿った行動ができていない場合なども「筋が通っていないよ」と指摘されます。
では「筋が通っていない」を使った例文を見ていきましょう。
<例文>
- いつも言い訳ばかりして、話に筋が通っていない。
- 君の行動は筋が通っていなくて情けないよ。
(引用:マイナビニュース)
まとめ
「整合性」は、 「矛盾がなく一貫性のあること・ズレがないこと」という意味です。
「整合性がある/ない」「整合性を図る」といった使い方で、フォーマルシーンで多用されます。
日常会話では「整合性」という言葉が大げさに聞こえてしまう場面もあるので、今回紹介した類語や対義語を上手に使っていきましょう。