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「招聘(しょうへい)」は「礼を尽くして人を招くこと」という意味です。
普段使わない漢字なので、読み方や意味がわからない人も多いでしょう。
そこで今回は、「招聘(しょうへい)」の意味や使い方を解説します。
「招待」などの類似表現との違いも、これを機に理解して使い分けることができるようになりましょう。
1.「招聘」の意味
礼を尽くして人を招くこと
「招聘」はただ人を招くのではなく、「礼を尽くして」というニュアンスを含んでいます。
「聘」は「へい」と読みますが、常用漢字ではなく「招へい」と平仮名で書かれることも多いです。
訪問の際に感謝の意を示して相手に渡す贈り物のことを「聘物(へいもつ)」と言います。
待遇を良くして来てもらう
招く側が、良い待遇や立場を用意して人に来てもらう際に「招聘」を使います。
「招く側が招かれる側よりも立場が上である」というニュアンスを含む言葉であることを覚えておきましょう。
目上の人やお客様に対して使うことはできません。
2.「招聘」の使い方
続いて、具体的な「招聘」の使い方を例文とともに解説します。
主な使い方は以下の4つです。
招聘する・される
「招聘」は「招待」と同様に、 「招聘する」「招聘される」という使い方をよくします。
<例文>
- 日本では、海外から経営陣を招聘するケースが近年よく見られる。
- あの監督は中国代表チームの指導者として招聘された。
招聘を受ける・応じる
「招聘」された時、 「招聘を受ける」「招聘に応じる」という言い方もできます。
<例文>
- 彼は、ケンブリッジ大学の哲学教授として招聘を受けた逸材だ。
- ◯◯社からの招聘に応じ、副社長のポストへの就任が決定した。
招聘状
「招聘状」とは、主に海外から人を呼びよせる際に必要となる推薦状のことです。
ビザ取得の際に必要となり、「招聘理由書」とも言い、招聘の理由や目的の詳細を記載します。
招聘状を海外の人のために発行する必要がある場合は、外務省のウェブサイトで雛形を入手することができます。
<例文>
海外支社の方が視察に来られるので、招聘状を用意しなければなりません。
招聘者・被招聘者
招聘する側の人を「招聘者」と言い、招聘を受ける側の人を「被招聘者」と言います。
「招待者」という言葉は、「招待されたゲスト」という意味で使われます。
しかし、「招聘者」という言葉はあくまでも招く側・ホスト側なので、混乱しないように覚えておきましょう。
<例文>
招聘者は、被招聘者の待遇に関する責任を負わなければいけません。
3.「招聘」を使う時の注意点
「招聘」を使う時には注意すべき点が2つあります。
間違った使用法は相手を不快にさせてしまうので、あらかじめ誤用を確認しておきましょう。
「招聘」は敬語ではない
「招聘」は「礼を尽くして人を招く」という意味から敬語のように感じる人もいるでしょう。
しかし、 招く側が目上で、招かれる側が目下として使われる言葉であることからもわかるように、敬語ではありません。
お客様や目上の人に対して使うと、大変失礼になるので気をつけましょう。
以下の例文は一見丁寧なようですが、誤用です。
<誤用>
ぜひ、御社の社長を式典に招聘させていただきたいと思っております。
「招聘」は敬語として使うことができないということを覚えておきましょう。
目上相手には「お招きする」「お越しいただく」を使う
目上の相手には「招聘する」ではなく、「招く」という意味の敬語を使用することが適切です。
- お招きする
- お越しいただく
この2つの言葉を使うようにしましょう。
お招きする
目上の人に式やイベントに参加してもらう時は、 「お招きする」という表現を使用しましょう。
<例文>
御社の会長を周年イベントにお招きしたいのですが。
お越しいただく
「招聘」という言葉は「来てもらう」という意味でもあるので、 「お越しいただく」という敬語に言い換えることもできます。
4.「招待」「招致」「招請」類似表現との違い
「招く」という意味の熟語は「招聘」以外にも多数ありあます。
ここでは、「招聘」とこの3つの類似表現の意味の違いについて解説します。
招待(しょうたい)
「招待」は「客を招くこと」という意味です。
「招聘」には招聘者が目上で被招聘者が目下というニュアンスがありますが、「招待」にはありません。
「招待」は目上の人に対しても使うことができる言葉です。
<例文>
新社屋お披露目パーティーにご招待してもよろしいでしょうか?
招致(しょうち)
「招致」は「招いて来てもらうこと」という意味です。
「招聘」は人を招くことですが、「招致」は企業・イベント・事業など人以外に対して使われることが一般的です。
<例文>
冬季オリンピックを日本に招致したい。
招請(しょうせい・しょうじょう)
「招請」という言葉にも「頼んで人に来てもらうこと」「人を招いて来てもらうこと」という意味があります。
「招請」には「一時的に来てもらう」というニュアンスが含まれているのが「招聘」との違いです。
<例文>
新しいプロジェクトのため、専門家を招請した。
まとめ
「招聘」の「礼を尽くして招くこと」という意味や、その使い方は理解できましたか。
「招聘」は目上の人が目下の人を招く、という意味であるため誤用してしまうと相手に不快感を与えてしまう恐れがあり、注意が必要です。
「招待」「招致」「招請」などの類語との違いや英語表現も正しく把握すれば、今後「招聘」という言葉を目にしても焦ることはありません。
教養ある社会人として、ぜひ「招聘」を押さえておきましょう。