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相手に資料を渡したりするときなど、「ご参考ください」という表現を使う人は多いのではないでしょうか?
しかし、「ご参考ください」は、日本語として間違っています。
では、どのような使い方が正しいのでしょうか?
そこで今回は、「ご参考ください」が間違っている理由や正しい使い方についてご紹介します。
ビジネスシーンでよく使う言葉なので、正しい使い方をマスターしましょう。
1. 「ご参考ください」は敬語として誤り?
ビジネスシーンでよく耳にする「ご参考ください」という言葉は、 日本語として誤っています。
辞書には、「参考する」という動詞はありません。
正しくは「参考にする」です。
そのため、「ご参考ください」は敬語表現として間違っているのではなく、日本語の使い方として間違っています。
「ご参考ください」ってどういう意味?
まずは「参考」の意味から見ていきましょう。
「参考」とは、考えをまとめたり、物事を決める際の手がかりや助けとなる材料のことです。
ビジネスシーンでは、会議で補足資料を配布するときなどに使う言葉です。
「会議資料の補足として、手がかりとして見てください」という意味で使われます。
しかし、 「ご参考ください」という表現は間違った日本語なので、正しくはどのような表現になるのでしょうか?
2. 「ご参考ください」の正しい使い方
「ご参考ください」を正しい日本語で表すと、「参考にしてください」という表現になります。
いくつかのシーン別に、使い方を見ていきましょう。
会議の場で直接資料を渡すとき
会議の場で直接資料を渡すときは、以下の例文を使うと良いでしょう。
例文:「よろしければ、ご参考にしてください」
「参考にしてください」の尊敬語としては、「ご参考にしてください」が正しい敬語表現です。
また、以下の使い方もケースバイケースでOKです。
例文:
「よろしければ、ご参考にどうぞ」
「ご参考にして頂ければと思います」
少しイレギュラーな使い方ですが、柔らかい印象を与える敬語表現です。
参考にするかどうかの決定権はあくまでも相手に委ね、相手に敬意を払いながらも、参考資料をすすめることができます。
メールで資料を添付するとき
「参考にしてください」をメールなどの文章で使うなら、以下の表現が好ましいです。
例文:「ご参考になりましたら幸いです」
「参考になったらうれしい」という意味があり、こちらも柔らかい印象を与える敬語表現です。
参考にするかどうかの決定権を相手に委ねていますので、負担に感じさせずに参考資料を添付して送ることができます。
「参考にしてください」をさらに丁寧に言うとき
「参考にしてください」をさらに丁寧に言いたい場合は、以下の表現が使えます。
例文:「ご参考になさってください」
「ご~になる(なさる)」は尊敬語の型に当てはまり、「する」の尊敬語の「なさる」を使った表現です。
「してください」が命令口調に受け取られるリスクがあるため、「なさってください」のほうが柔らかい印象になるでしょう。
3. 「ご参考にしてください」の言い換え表現
「ご参考にしてください」を別の言い方にしたい場合は、下記の言い換え表現を活用ください。
- 「ご参照ください」
- 「ご一読ください」
- 「ご覧ください」
では、それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
「ご参照ください」
「参照」の意味
情報を整理したり考えを深めたりするための手がかりとして、他の情報などに接し、元の情報と対比したり考え合わせたりすること。理解の手助けとして用意された情報源に目をやること。
(参考:weblio辞書)
「参照」とは、照らし合わせて見る、2つ以上の資料やものを同時に見て参考にする、という意味です。
「参照する」という動詞があるため、「ご参照ください」は正しい日本語表現となります。
より丁寧な表現にしたい場合、「ご参照いただけますと幸いです」という表現を使うことができます。
そもそも「参照」と「参考」を混同して、誤用するケースが多いと推測されます。
「ご一読ください」
「一読」とは、「一度読むこと、ひととおり読むこと」という意味です(参考:weblio辞書)。
「ご一読」とは「読む」「目を通す」の敬語表現で、 確認してほしい資料を上司やクライアントに渡す際などによく使われます。
より丁寧な表現にする場合、「ご一読いただけますと幸いです」という表現もできます。
本来は「さらっと目を通す」という意味ですが、謙遜した表現として使う際には「しっかり見てほしい」という場合にも使います。
「ご覧ください」
「ご覧になる」は、「見る」の尊敬語です。
「見てください」の尊敬語は、「ご覧ください」という表現になります。
目上の人に見てほしい資料がある際に、「ご覧くださいませ」「どうぞご覧ください」などと使います。
4. 目上の人に「参考にさせていただきます」は要注意
上司から仕事に関するノウハウを教えてもらった際に「参考にさせていただきます」と言うのは失礼になるため注意しましょう。
「参考」という言葉には「補足材料として使う」という意味があるため、「せっかく親身にアドバイスをしたのに補足としか思ってくれていない」と感じる上司もいるからです。
上司に何かを教えてもらったり、アドバイスをもらったときには、「大変勉強になりました」「ありがとうございました」とストレートに伝えると良いでしょう。
5. まとめ
ビジネスシーンでよく使う「参考」という言葉の正しい敬語表現についてご紹介しました。
類語や言い換え表現もご紹介したので、間違った日本語を使わずに正しく相手に伝えることができるでしょう。
また、上司や目上の人からアドバイスをもらったときには、「参考にさせていただきます」はNG。
相手を不快にさせてしまうため、「ありがとうございました」「勉強になりました」と素直にストレートに伝えることがおすすめです。
正しい日本語・敬語を使えるようになり、社会人としてさらにステップアップしていきましょう。