「ご尽力」の意味は?間違えやすい「お力添え」との違いも解説

ご尽力の意味とは ビジネス用語

「ご尽力」とは、「力を尽くす」「持っている全ての力で取り組む」という意味を持つ「尽力(じんりょく)」の敬語表現です。

メールでも口頭でも、ビジネスシーンで 相手に感謝する際によく使われる言葉ですね。

しかし、実は「ご尽力」を間違った使い方をしている人が意外にも多いんです。

たとえば、「ご尽力お願いします」とお願いや依頼の意で使うのは失礼にあたるということを知っていますか?

今回は、「ご尽力」の意味や使い方、依頼するときの類語・言い換え表現について、例文をまじえて解説します!

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1.「ご尽力」の意味と使い方

「ご尽力」とは、目上の人が力を尽くしてくれたことへのお礼・感謝の言葉として使われる言葉です。

目上の方や取引先に対して「頑張ってくださってありがとうございました」とは子供っぽくて言えないですよね。

そのような時には「ご尽力頂きありがとうございます」と言うのが正解です。

なお、「尽力」とは、「力を尽くす」「骨を折る」つまり、何かや誰かのために努力をするという意味の言葉です。

1-1.「ご尽力」の間違った使い方に注意

依頼の意味で「ご尽力お願いします」とおっしゃる方が時々いらっしゃいますが、それは誤用です。

間違い①: ご尽力いただきますよう、宜しくお願いいたします。
間違い②: どうかご尽力くださいますようお願いします。

上の例文では「どうか私のために力を尽くし努力してくださいますようお願いします」という意味になってしまいます。

目上の人に対し、「努力してください」なんてお願いはしませんよね。

そのため、 依頼の言葉として「ご尽力」は使いません。

依頼したい時には類語の「お力添え」を使います。

間違い①: ご尽力いただきますよう、宜しくお願いいたします。
⇒正解例: お力添えいただきますよう、宜しくお願いいたします。
間違い②: どうかご尽力くださいますようお願いします。
⇒正解例: どうかお力添えくださいますようお願いします。

「お力添え」であれば、「どうか私のためにお力の一部をお貸しください」という意味ですので、依頼の言葉として使うことができます。

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1-2.「尽力」は自分の意気込みを伝えることができる

「尽力」は、自分の行動に対して使うことができます。

自分が何か頑張ったり努力したりすることがある場合に、下記のように使うことができます。

例:これからも当プロジェクトに尽力していく所存です。

「これからもこのプロジェクトに力を尽くすつもりです」と意気込みを伝えることができます。

1-3.「尽力を尽くす」「尽力を注ぐ」は重複表現

「尽力」は「力を尽くす」という意味ですので、 「尽力を尽くす」では「力を尽くすことを尽くす」という重複表現となってしまいます。

間違い:これからも当プロジェクトに尽力を尽くしていく所存です。

せっかくの意気込みを伝えるシーンですが「尽力を尽くす」なんて言ってしまうと、相手は違和感を持ってしまいます。

「重複表現は間違いではない」という声もありますが、例えば「頭痛が痛い」という重複表現を聞いた場合、「正しい日本語が使えていない人だ」と思われてしまいます。

ビジネスシーンで使ってしまわないよう、普段から気をつけたいものです。

また、似たような言葉遣い 「尽力を注ぐ」という表現もありますが、こちらも重複表現に当たります。

「力を尽くすことを注ぐ」と、これも「尽くす」「注ぐ」と動詞が2回使われているからです。

こちらも、うっかり使ってしまわないようご注意ください。

2.「ご尽力」の例文

では、「ご尽力」を使った例文を実際に見ていきましょう!

使い方が不安な方は、そのまま例文をメール文に用いてみてください。

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2-1.「ご尽力いただき」

「ご尽力いただき」は「力を尽くしていただいて」という意味です。

例:ご尽力いただきありがとうございます。

例文は「力を尽くしていただいてありがとうございます」という感謝の言葉として使われています。

また、 「謝罪」の意を伝える場面で前置きの言葉としても使われます。

例:ご尽力いただきましたのに、不甲斐ない結果となってしまい、誠に申し訳ございません。

こちらの例文は「力を尽くしていただきましたのに、残念な結果となってしまい申し訳ございません」と、相手への感謝を表すとともに自分(自社)の「謝罪」を伝えています。

2-2.「ご尽力を賜り」

「ご尽力を賜り」とは、「力を尽くしていただきまして」という意味です。

「ご尽力いただき」よりも、さらに丁寧で、相手を敬った言い方です。

口頭でも使われますが、特にメールや手紙などの書き言葉で使われることが多いです。

例:ご尽力を賜り深く御礼申し上げます。

「ご尽力をいただきまして大変ありがとうございます」という意味の例文です。

改まって感謝を伝えたい時に、丁寧な言い方をするとより気持ちが伝わりますね。

2-3.「ひとかたならぬご尽力を賜り」

「ひとかたならぬ」とは、「普通ではない」「並大抵ではない」という意味です。

深い感謝を伝えたい時に「ひとかたならぬご尽力」ということで、相手により感謝の気持ちを伝えることができます。

例:ひとかたならぬご尽力を賜り深謝いたします。

「並大抵ではない力を尽くしていただきまして、心から感謝いたします」という意味の例文です。

口頭でも使用しますが、やや堅い印象がありますので、メールや手紙でよく使われます。

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2-4.「ご尽力の賜物」

「ご尽力の賜物」とは「力を尽くしてくださったおかげで得られた成果や恩恵」を指す、非常に丁寧な言葉です。

例:これもひとえに貴殿のご尽力の賜物です。誠にありがとうございます

例文は「今回のことはただただあなたが力を尽くしてくださった結果のことです。本当にありがとうございます」という意味です。

3.「ご尽力」の類語

ご尽力の類語
「ご尽力」と同じく目上の方に使うことができる類語には「お力添え」「ご助力」「ご支援」と言った言葉があります。

それぞれ例文をまじえて確認していきましょう。

3-1.「お力添え」

「お力添え」とは、「手を貸すこと」「手伝うこと」という意味の丁寧な表現です。

相手からの支援を丁寧に感謝する時に主に使われる言葉です。

「ご尽力」と違い、 相手が力を尽くすほどの努力を必要としないことから、 依頼の際にも使うことができます。

例①: これまで多くのお力添えをいただき、誠にありがとうございました。
例②: これからもお力添えをお願いしたく、ご連絡させて頂きました。

例①では感謝、例②では依頼の意見があります。

また、 「ご尽力」と異なり、「(自分が)力添えをする」とは言いません。

「お力添え」「力添え」は自分に対して使うことのできない言葉なのです。

「力添え」には尽力のような必死さありませんので、使用すると誠意を欠く印象になります。

間違い: 私も微力ながらお力添えさせていただきたく存じます。 

「私も少しですが力になりたいと思っています」と言おうとしている例文ですが、誤用です。

「私も微力ながらお力になりたいと存じます」や「私も微力ながら尽力させていただきたく存じます」と言うのが正解です。

【一目でわかる「ご尽力」と「お力添え」の使い分け】

感謝や謝罪の場面     → 「ご尽力」○ 「お力添え」○

お願いや依頼の場面    → 「ご尽力」× 「お力添え」○

自分に対して使用する場合 → 「尽力」○  「お力添え」×

使い分けができるよう、しっかりと覚えておきたいところですね。

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3-2.「ご助力」

「ご助力」とは、「手助けすること」という意味の丁寧な表現です。

例:この度は弊社のプロジェクトに対して多大なるご助力をいただき、心から感謝しています。

例文は「今回は自社のプロジェクトに対して(目上の人が自分に)多くの手助けをしていただいて本当にありがとうございました」という意味です。

「お力添え」と同じく、「感謝」「謝罪時の前置き」「依頼」の場面で使うことができます。

3-3.「ご支援」

「ご支援」とは、「支援すること」「協力すること」という意味の言葉を丁寧にした表現です。

例:ご支援承りますようお願い申し上げます。

例文は「(目上の人が自分に)ご支援をくださいますようどうかお願いいたします」という意味です。

「ご支援」は万能な言葉で「感謝」「謝罪時の前置き」「依頼」のほか、自分に対しても使用できます。

ただし、ややフランクな印象のある言葉ですので、感謝を深く表したい時には「ご尽力」「お力添え」を使った方が丁寧な印象を与えることができます。

4.「ご尽力」を英語で言いたい

「ご尽力」は、英語ではなんというのでしょう。確認しておきましょう!

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4-1.「ご尽力いただきありがとうございました」

I appreciate your great effort on this negotiation.

「ご尽力」を「great effort」、「素晴らしい成果」と捉えて文章を作成しています。

また、英語では「何に対しての感謝なのか」を明確にすることが多いですので、例文では「この交渉についてご尽力いただきありがとうございます」という表記にしています。

4-2.「ご尽力を賜り深く御礼申し上げます」

I sincerely appreciate for making efforts for this negotiation.

「ご尽力」を「make efforts」で表しています。

また、「ご尽力を賜り」「お礼申し上げます」ということから、「sincerely=心から」という意味の単語を使っています。

「sincerely」は、ビジネスメールの結びの言葉の中でも丁寧でフォーマルなものとして使われていますので、英語でかしこまった文章を作りたい時に便利な単語です。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

「ご尽力」は依頼の場面では使わない、「お力添え」は自分のことを言う時には使わない、など、似たような意味を持つ言葉であっても使い方が異なることを、今回解説いたしました。

言葉を正しく使ってこそ、周囲からの信頼を積み重ねることができます。

私たちはこれからも、今すぐ使えるビジネス用語の解説に「尽力」して参ります。

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2019.04.13
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