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「させていただきたく存じます」は相手に敬意を示しながら、相手の許可を得て何かの行動をする際に使います。
ビジネスの場でもよく使われる言葉ですが、表現が硬い言葉なので、多用しすぎるとかえって相手に失礼な印象を持たれてしまうこともあるので、使い方には注意が必要です。
そこで「させていただきたく存じます」はどういった状況で使うべきか、また繰り返してくどい表現にならないようにするための言い換え表現、英語表現について詳しくご紹介します。
1.「させていただきたく存じます」の意味
1-1.「させて欲しい」の敬語表現
「させていただきたく存じます」は、相手に対して「させて欲しい」と伝える敬語表現です。
「させていただきたく存じます」は、「させてもらいたい」の「させていただきたく」と「思います」の「存じます」が組み合わさった表現です。
自分がへりくだることで、相手を敬う謙譲表現として使われます。
1-2.「させていただきたく」は「させてもらいたい」という意味
「させていただきたく」は、この一文が敬語表現で、「相手にその行為をする許可をもらい、相手に遠慮しながらする」という意味です。
「させていただきます」だけでも相手を敬う表現ですが、「存じます」をつけることでより丁寧な表現になります。
また「いただきたく存じます」と、「させて」がつかない場合には、「して欲しいのですが」と相手にお願いをする意味になります。
1-3.「頂く」と「いただく」の違い
漢字表記の「頂く」は謙譲語ですが、ひらがな表記の「いただく」は謙譲語ではありません。
「いただく」は、漢字で「頂く」と変換すると「食べる・飲む・もらう」の謙譲語になります。
一方、ひらがなの「いただく」は「させていただく」のように動詞につけて使います。
ひらがなの場合は「何かを〜してもらう」という意味です
メールなどで使う場合、変換してしまいがちなので注意が必要です。
違いについて、例文で詳しく見てみましょう。
<例文>
- 「頂く」を使う場合
「○○部長から、差し入れでジュースの差し入れを頂きました」
- 「いただく」を使う場合
「担当者が不在ですので、改めてお電話させていただきたく存じます」
最初の例文では、「ジュースをもらった」ということを丁寧に表現して「頂く」と漢字に変換しています。
この場合はあったことをそのまま表現しているだけなので、漢字でもひらがなでもかまいません。
2つめの例文では、「電話をしてもいいか」相手に許可を願っていますので、漢字ではなくひらがなの「いただく」を動詞の「電話する」につけて使います。
この場合の「いただく」は補助動詞として使います。補助動詞は動詞と結びつくことで意味を持つ言葉です。
「謙譲語」は漢字表記、「補助動詞」はひらがなというルールを覚えておきましょう。
1-4.「存じます」は「思う」「考える」「知っている」の謙譲語
「存じます」は、「思う」「考える」「知っている」の謙譲語です。
「存じる」に丁寧語の「ます」をつけると、さらに丁寧な表現となり、自分がへりくだることで相手を敬う表現となります。
<例文>
- ご満足いただけるかと存じます(思います)。
- 改善法にはいくつか方法があると存じます(考える)。
しかし、知っているという意味で「存じます」を使うことはありません。その場合は「存じております」「存じ上げております」などを使います。
例文で確認してみましょう。
<例文>
以前から存じ上げております(知っている)。
「させていただきたく存じます」と相手に許可を求める表現の場合には、「存じます」には「考えています」「思います」という意味になります。
知っているという意味はありません。
1-5.「させていただきたく存じます」は二重敬語ではない
「させていただきたく存じます」は二重敬語ではありません。
二重敬語とは、一つの単語に「同じ種類の敬語を重ねること」を指します。
よくありがちな二重敬語について、例を見てみましょう。
<使いがちな二重敬語と正しい表現>
- 部長様(「部長」と「様」)→部長(役職のみ)
- おっしゃられる(「おっしゃる」と「られる」)→おっしゃる
- お帰りになられる(「おかえり」と「なられる」)→お帰りになる
- ご覧になられる(「ごらんに」と「なられる」)→ご覧になる
- お召し上がりになられますか(「お召し上がり」と「なられる」)→召し上がりますか
「させていただきたく存じます」の場合、「させていただきたく」と「存じます」の2つの敬語が重なっているので、二重敬語ではと思いがちです。
しかし、 「させていただく」は、助動詞の「させる」+接続助詞「て」+補助動詞「いただく」で、「敬語連結」と呼ばれ、正しい敬語表現として認められています。
敬語連結:させる(助動詞)+て(接続助詞)+いただく(補助動詞)
さらに、 「させていただきたく」は「させてもらう」、「存じます」は「思います」という違う意味を持つ敬語なので、こちらも二重敬語ではありません。
違う意味の敬語:させていただきたく(させてもらう)+存じます(思います)
二重敬語になる間違った使い方については、次の使い方で詳しくご紹介します。
2.「させていただきたく存じます」の使い方
「させていただきたく存じます」は、目上の方や上司に対して使うことができる謙譲語です。
ただし間違った使い方をすると、相手に失礼になるばかりでなく正しくこちらの気持ちが伝えられないことにもなりかねません。
そこで「させていただきたく存じます」を使う際に、注意したいポイントをご紹介します。
2-1.謙譲語を重ねない
「させていただきたく存じます」を使う場合、「させていただきたく」の前に謙譲語を使ってはいけません。
「させていただきたく」は一つの表現で、謙譲語です。
そして「させて」の前には「相手に了解を得てする行動」である動詞がつきます。
この動詞が謙譲語だと、二重敬語になってしまうのです。
例文で正しい使い方を見ていきましょう。
<間違った使い方と正しい使い方>
- ×:拝見(謙譲語)+させていただきたく存じます(謙譲語)
- ◯:見させていただきたく存じます
- ◯:拝見したく存じます
「させていただきたく存じます」の前に「拝見」という謙譲語がつくと、二重敬語になります。
ただし「見させていただきたく存じます」だと言いづらいので、この場合には「拝見したく存じます」とした方がスマートです。
2-2.取引先など目上の方に対して使う
「させていただきたく存じます」は、目上の方や上司、また取引先など、自分がへりくだる立場にあるときに使います。
「相手に許可をもらうこと」が前提となりますので、「させていただいてもよろしいでしょうか」をさらに丁寧にした表現として使います。
ただし上司などに許可を得る場合には、「させていただきたく存じます」は丁寧すぎて嫌味な言い方になってしまうので、注意が必要です。
例文で使い分けについて見ていきましょう。
<上司に許可を得る場合>
×「風邪で熱がありますので、本日はお休みさせていただきたく存じます」
○「風邪で熱がありますので、本日はお休みをいただいてもよろしいでしょうか」
どちらも相手に許可をもらうための表現ですが、「させていただきたく存じます」と言い切るよりも、「よろしいでしょうか」とお伺いする表現を使った方が会話がスムーズです。
2-3.相手にお願いするときに使う
「させていただきたく存じます」は、「相手に許可を得た上で、自分がそれをおこなう」ため、相手にお願いをする場合に使います。
「相手の同意や許可が必要な場合」や「相手の意に反したりそぐなわない場合」に使います。
相手に許可を取る必要がないことにまで「させていただきたく存じます」を使うと、くどい表現になってしまいます。
どういった場合が当てはまるか、例文で見ていきましょう。
<相手に許可を得る必要がある場合>
「来週お伺いさせていただきたく存じますが、ご都合はいかがでしょうか」
<相手に許可を得る必要がない場合>
×「メールの返信をさせていただきたく存じますので、お待ちください」
○「ご返信いたしますので、お待ちください」
相手に「~してもよろしいでしょうか」と聞いたときに、相手から「いいですよ」「都合が悪いです」と返事をしてもらえることであれば、「させていただきたく存じます」が使えます。
逆に「わざわざ聞くことでもない」と思われることに対しては、「させていただきたく存じます」ではなく「いたします」など別の表現を使った方が、相手に伝わりやすいので、そちらを使いましょう。
続いては、「させていただきたく存じます」の言い換え表現をご紹介します。
3.「させていただきたく存じます」の言い換え表現
「させていただきたく存じます」を多用すると、くどくなったり、相手にこちら側の意図を伝えづらくなってしまうことがあります。
そこで「させていただきたく存じます」の言い換え表現を4つご紹介します。
- していただければ幸いです
- いただきますようお願い申し上げます
- なさってください
- 願いたく存じます
言い換え表現1.「していただければ幸いです」
「していただければ幸いです」は、「していただけると自分にとってうれしいです」「していただけると幸せになります」という意味です。
相手に何かを依頼する場合に使います。
「させていただきたく存じます」を使う場合と違い、「相手に許可をもらい、遠慮しながら行動する」のではなく「できればそうしてもらいたい」というお願いです。
そのためソフトな表現として使うことができます。
例文で使い方を見ていきましょう。
<例文>
ご都合のよろしいときにでも、内容をご確認していただければ幸いです。
言い換え表現2.「いただきますようお願い申し上げます」
「いただきますようお願い申し上げます」は「していただけることを願っています」という意味です。
自分がへりくだることで、相手を敬う表現なので、「させていただきたく存じます」と同じように目上の方や上司に対して使うことができます。
「していただければ幸いです」と同じように、相手に行動や決断を委ねる表現です。
例文で使い方を見てみましょう。
<例文>
- できればご参加いただきますようお願い申し上げます。
- お忙しいとは存じますが、アンケートにお答えいただきご返送いただきますようお願い申し上げます。
「いただきますようお願い申し上げます」と似た表現に「いただけますようお願い申し上げます」があります。
「き」と「け」の違いですが、「いただけ」の場合は「~してもらえるよう」という可能の表現となり、「もしよければ~」という意味が加わります。
「いただき」でも「いただけ」でも間違いではありませんが、「いただけますよう」のほうが丁寧な表現です。
言い換え表現3.「なさってください」
「なさってください」は「してください」の丁寧な表現です。
相手に依頼をする際、「させていただきたく存じます」の繰り返しをしたくない場合に、言い換えることができます。
例文で詳しく見てみましょう。
<例文>
お忙しいとは思いますが、参考になさってください。
この表現を使う場合、「なさって」は「する」の尊敬語、「ください」は尊敬語の命令形なので、二重敬語ですが、使ってもOKな二重敬語として認められています。
しかし、さらに尊敬語として「ご参考に」などをつけると三重敬語でくどくなるので使わないようにしましょう。
またよく間違って使われる表現に「されてください」がありますが、「~ください」と続けるときには、「なさって」が正しく、「されて」は尊敬語ですが使いません。
参考に例文を見てみましょう。
<「されて」と「なさって」の違い>
×「歓迎会に出席されてください」→○「歓迎会に出席なさってください」
口に出して言ってみた場合、「なさってください」の方が言いやすく相手に伝わりやすいことが分かるはずです。
言い換え表現4.「願いたく存じます」
「願いたく存じます」は、「お願いしたいと思う」の謙譲語です。
謙譲語は自分がへりくだり、相手を敬う表現のことです。
「存じます」は「思っています」「知っています」という意味があるほか、相手に何かをお願いするときに使います。
「願いたく存じます」は、「させていただきたく存じます」と同じように、相手に許可を得る必要がある場合に使うことができます。
「させていただきたく存じます」を何度も繰り返さないように、「願いたく存じます」で言い換えるといいでしょう。
文例で見ていきましょう。
<例文>
ご多忙中かとは思いますが、おいで願いたく存じます。
4.「させていただきたく存じます」の英語表現
「させていただきたく存じます」を英語で表現する場合、相手に依頼する表現が適切です。
通常だと「I want to you~」(~して欲しい)という形になりますが、このまま使うと、ビジネスではやや素っ気ない表現になってしまいます。
丁寧な表現としては、以下の2つの表現があります。
-
Please allow me〜
英語1.I would like to ask for your help.
「お願いさせていただきたく存じます」という意味です。
「ask for your help」は「助けを求める」という意味で、「助力」「支援」「援助」を求める際にも使われます。
直訳すると「私はあなたに助けを求めている」という表現で、 「あなたに助けて欲しい」という願いを控えめに相手に伝えることができる表現です。
「I would like to」は「I want to」よりも「ぜひ~したい」という意味で、丁寧な表現です。
例文を見てみましょう。
<例文>
I would like to ask you to proofread my report.
(レポートをチェックしていただきたいと思うのですが、お願いできますか)
wantよりも丁寧な表現ではありますが、文「I would like to ~」を使うのは失礼と感じる人もいます。
もっと丁寧に依頼をする場合、会話の場合は「~していただけますか」である「Would you mind~?」と疑問形で話を始めましょう。
文例を見てみましょう。
<例文>
Would you mind picking me up at Friday.
(金曜日に迎えに来ていただけますか?)
英語2.Please allow me to introduce my career record briefly.
「私の経歴を簡単に紹介させてください」という意味です。
「Please allow me to do~」は、「~させてください」という意味で、相手の意思を尊重しながら何かをしたいときに使う表現です。
フォーマルな場で使うことができる表現なので、広く使うことができます。
例文を見てみましょう。
<例文>
Please allow me to pay this charge.
(私に代金を払わせていただけないでしょうか)
まとめ
「させていただきたく存じます」は、「させて欲しいと思います」の謙譲語で、「相手に許可を得た上で、自分がその行為をする」という意味です。
「させていただきたく存じます」は硬い表現であるため、繰り返し使うとしつこい印象を与えてしまいます。
その場合は、「していただければ幸いです」「いただきますようお願い申し上げます」「なさってください」「願いたく存じます」といった言い換え表現を代わりに使うといいですよ。