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取引先へのメールに「お話をお聞きしたいのですが…」という表現を使ったところ、上司から「もう少しこなれた謙譲語を使えないのか」と笑われてしまった…。
そのような経験をした人もいるのではないでしょうか。
では、ビジネスメールで使うのにふさわしい「聞く」の謙譲語とは一体何なのか…?
今回は、そのような疑問にお答えすべく、 「聞く」の謙譲語について徹底的に解説します。
記事を読み終わるころには、「聞く」の謙譲語やその使い方、英語表現までを完璧に理解できますよ。
1.ビジネスの場で多用される「聞く」の謙譲語
「聞く」には、多くの謙譲語があります。
今回は、その中でもビジネスシーンで多用される4つの表現をピックアップします。
- お聞きする
- 伺う(うかがう)
- 拝聴する(はいちょうする)
- 拝聞する(はいぶんする)
これらの表現を、「話し言葉でよく使うもの」と「メールなどの文章でよく使うもの」とに分けてご紹介します。
1-1.話し言葉でよく使う「聞く」の謙譲語
お聞きする
「お聞きする」は、「聞く」の謙譲語として話し言葉でよく使われる表現です。
しかし、「聞く」という自分の動作に「お」を付けるのでは、自分の行為を高めているようで違和感があると感じる人もいるようです。
ただ、 「お聞きする」の場合は、話を聞かせてくれる相手への敬意を示すべく「お」が付けられているので、謙譲語として何の問題もありません。
また、ビジネスメールで使うことも間違いではありません。
それでも、誤解する人が少なからずいる表現であるということを念頭に置いて「お聞きする」という言葉を使った方が良いでしょう。
伺う
「伺う」は、「聞く」の謙譲語として話し言葉でよく使われる表現です。
「聞く」という意味で「伺う」という言葉を使いたいときには、「伺う」の前に「お話を」などの自分が相手から聞きたい内容を補いましょう。
尚、「伺う」は、「行く」「尋ねる」の謙譲語として用いられることがあります。
1-2.メールなどの文章でよく使う「聞く」の謙譲語
拝聴する
「拝聴」は「ありがたく~する」という意味の「拝」と、「身を入れてきく」という意味の「聴」を組み合わせて作られた言葉です。
講演会などで目上の人のお話を聞いたり、取引先の人の話を聞いたりするときに「拝聴」という表現が使われます。
比較的堅い表現であり、ビジネスメールなどの文章に使われる言葉ですが、会話の中で使うことも可能です。
拝聞する
「拝聞」は「ありがたく~する」という意味の「拝」と、「自然と耳に入ってくる」という意味の「聞」という漢字を組み合わせて作られた言葉です。
目上の人や取引先の人の話を、講演会などの改まった場では無いところで聞いたり、目上の人や取引先の人の様子を人づてに聞いたことを伝えたりする際に使われます。
こちらも「拝聴」と同様、比較的堅い表現ということでビジネスメールなどで用いられることが多い表現ですが、相手と直接話すときにも使うことができます。
2.ビジネスシーンで「聞く」の謙譲語を使う場面と例文
次に、ビジネスシーンで「聞く」の謙譲語を使う場面を確認していきましょう。
場面1.話を聞く許可を得たいとき
ビジネスシーンにおいて、 上司などの目上の人や取引先の人から話を聞く許可を得たいときなどに「お聞きする」という言葉が多用されます。
直接会って話す場合にはもちろん、電話で伺いを立てたり、ビジネスメールで都合を聞いたりするときにも使うことができます。
場面2.既にその話を聞いていることを伝えるとき
その件については、○○を通じて話を伺っております。
取引先の会社など、先方からの連絡を既に聞いていたとき、相手が何度も同じ話をする手間を省かせるために既に話を聞いていることを伝えることがあるでしょう。
そのような場面では「伺う」という言葉が活躍してくれます。
ただし、身内を通じて話を聞いていたという場合には「~を通じて」という言葉を付け加えるように気をつけてください。
もし、身内の人から話を聞いていたということを「○○から伺っております」と言うと、先方ではなく身内の人に敬意を示すことになっていますます。
また、 「お聞きしています」という表現を使っても、先方ではなく身内の人に敬意を払うことになってしまうため、使う際には注意しましょう。
場面3.講演会の感想をメールで伝えるとき
先日、○○様の講演会を拝聴いたしました。大変興味深い内容で、勉強になりました。
取引先の会社の人や目上の人の講演会についての感想をメールで伝えたいという場合には、「拝聴」という表現を用いると良いでしょう。
この場合、「拝聴させていただきました」と一見二重敬語ともとれる表現を使っても問題はありません。
むしろ、「~させてもらう」の謙譲語である「~させていただく」という表現を付加することによって、相手への更なる敬意を表現することができます。
ただ、「拝聞」という言葉を使うと真剣に耳を傾けていなかったと相手に受け取られることがあるので、「拝聴」の方を使うようにしましょう。
続いて、「聞く」の他の敬語表現をご紹介します。
3.「聞く」の丁寧語・尊敬語
「聞く」の丁寧語・尊敬語は、主に4つ挙げられます。
【丁寧語】
- 聞きます
【尊敬語】
- お聞きになる
- 聞かれる
- お耳に入る
それでは、順に説明していきます。
3-1.「聞く」の丁寧語
「聞く」の丁寧語として主に用いられるのは、次に挙げる表現です。
聞きます
「聞きます」は、「聞く」に動詞をより丁寧に表現するために使われる「ます」を付け加えることによってつくられた丁寧語です。
相手が目上か目下かを問わず、丁寧に話したいときに多用されます。
<例文>
今朝のニュースで午後からは雨が降ると聞きました。
3-2.「聞く」の尊敬語
お聞きになる
「お聞きになる」は、「聞く」に相手の動作への敬意を示す「お~になる」という表現を付け加えることによってつくられた尊敬語です。
「お」が冠されているということで、相手により丁寧な印象を与えることができます。
謙譲語の「お聞きする」と似ているので、使い分けに注意しましょう。
<例文>
Aさんは例のプロジェクトについてもうお聞きになりましたか。
聞かれる
「聞かれる」は「聞く」に尊敬の意味を持つ助動詞「れる」を付け加えることによってつくられた尊敬語です。
「お聞きになる」よりも多少敬意は下がるものの、尊敬語として問題なく使うことができる表現です。
<例文>
Aさんがご出産されたそうですが、Bさんは既に聞かれましたか。
お耳に入る
「お耳に入る」も「聞く」の尊敬語として多用されます。
しかし、 「お耳に入る」は噂話や連絡などの情報が相手に伝わることを表すときにだけ使われるという特徴があります。
そのため、「この音楽はすでにお耳に入っていると思いますが…」などの表現や、「A氏の講演はお耳に入れましたか」といった表現はNGです。
<例文>
このニュースが社長のお耳に入るのも時間の問題でしょう。
4.「聞く」の謙譲語の英語表現
ここでは、「聞く」の謙譲語の英語表現を「何かを訪ねる場合」と「話を聞く場合」に分けてご紹介します。
英語1.何かを尋ねる場合:「ask」
何かを尋ねる場合には、動詞「ask」が用いられます。
「ask」が用いられた英文例としては次のようなものが挙げられます。
尚、「ask」自体には敬語の意味合いはありませんので、「聞く」を敬語として使いたい場合は、英語での丁寧な言い回しを意識して使いましょう。
<例文>
- Could I ask you a few questions?
(いくつかお聞きしたいことがあるのですがよろしいでしょうか。) - May I ask your name?
(お名前を伺ってもよろしいですか。)
英語2.話を聞く場合:「hear」「listen」
話を聞く場合には、「hear」もしくは「listen」が使われます。
「hear」は主に「自然と耳に入ってくる」、「listen」は「注意して耳を傾ける」というニュアンスです。
尚、「ask」同様、「hear」と「listen」はただの動詞ですので、それ自体に敬語の意味合いは含まれません。
「聞く」を敬語として使いたい場合は、英語での丁寧な言い回しを意識しましょう。
<例文>
- I would like to hear your story.
(あなたの話を伺いたいです。)
- I have already heard of it from him.
(そのことについては彼を通じて既に伺っております。)
- We am looking forward to listening to your lecture.
(私共は、あなたの講演を拝聴させていただくことを楽しみにしています。)
- I have learnt a lot by listening to your valuable lecture.
(あなたの貴重な講演をお聞きすることができて大変勉強になりました。)
まとめ
「聞く」の謙譲語としては、主に 「お聞きする」「伺う」「拝聴する」「拝聞する」の4つが挙げられます。
また、「聞く」の丁寧語としては「聞きます」、尊敬語としては「お聞きになる」「聞かれる」「お耳に入る」が挙げられます。
これらの表現の中には謙譲語と紛らわしいものがあるので、使い分けに注意が必要です。
皆さんも「聞く」の謙譲語や、その他の敬語表現、英語表現をマスターしてビジネスシーンで役立ててくださいね。