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「略儀ながら」は、 「正式な方法を省略したやり方ですが・踏むべき手段を省略していますが」という意味です。
「よく見かけるけど、自分が使う時に間違った使い方・失礼な使い方にならないだろうか」と不安に思っている人はいないでしょうか?
「略儀ながら」は、ビジネスメールや書中(手紙)などの文章で、相手に連絡をする際に非常に便利な言葉です。
今回は、社会人なら覚えておきたい「略儀ながら」の意味や使い方、使えるシーンや類語を詳しく紹介していきます。
1.「略儀ながら」の意味とは
意味は「正式な方法を省略したやり方ですが」
「略儀ながら」は、 「略儀」に「~なのですが・ですが」という意味の「ながら」が付いた言葉です。
「略儀」の意味と、略儀と同様の意味の「略式」の意味は以下の通りです。
従って、「略儀ながら」は「略式ではありますが」という意味で使われます。
2.「略儀ながら」の使い方
「略儀ながら」は、「本来は直接お会いしてお伝えするべきなのですが、とりあえずお手紙(メール)にて失礼します」という意味で使います。
「略儀ながら」は、直接会えない相手に対して使う礼儀文句のようなものです。
ただし、「とりあえず今は文書にて連絡します」という意味だからと言って、 後から実際に会いに行かなければならないわけではありません。
「略儀ながら」は結び言葉
「略儀ながら」は、手紙やメールに使う結び言葉です。
「結び言葉」は、 文章を締めくくる最後の部分の言葉を指します。
まずは最初の挨拶を書き、本題を書いた後、「ではそろそろ…」という部分で「略儀ながら」と添えます。
冒頭の挨拶で「略儀ながら、ご挨拶を」と間違って使わないように注意しましょう。
「略儀ながら」は書き言葉
「略儀ながら」はメールや手紙、はがきといった文章で相手に連絡する際に使う書き言葉です。
そのため、実際に目の前にいる相手には使いません。
例えば、お祝いの席などで 話し言葉としてスピーチを結ぶ時などは「簡単ではございますが」を用います。
簡単ではございますが、お祝いの言葉とさせていただきます。
「略儀ながらメールにて」「略儀ながら書中にて」の例文
「略儀ながらメール(または書中)にて」の意味は、「本来なら直接お会いしてお伝えすべきですが、まずはメール(または文書)でお伝えします」になります。
では、まずは「略儀ながら」の基本形を覚えておきましょう。
また、「略儀ながら」の他にも、 「略儀ではございますが」「甚だ略儀ではありますが」などに変えると、さらに丁寧な表現になります。
「略儀ながら」+「メールにて」(「メールをもって」「メールをもちまして」)+「◯◯申し上げます」
○○に入れる言葉は、その場に合わせたシーンに置き換えると簡単に使えます。
実際に使うシーンは以下のようなものがあります。
それでは、シーンごとの例文を以下で確認していきましょう。
①挨拶
挨拶のフレーズは、年賀状や暑中見舞いなどで使います。
季節ごとの挨拶を交えて伝えると良いでしょう。
- 略儀ながらメールにてご挨拶申し上げます。
- 略儀ながら書中をもって新年のご挨拶を申し上げます。
- 略儀ながらお礼かたがた暑中見舞いのご挨拶とさせていただきます。
②お礼
何か厚意をいただいてお礼を言うべきシーンでは、「本来はお会いして直接お礼を言うべきなのですが」というニュアンスで以下のように使いましょう。
- 略儀ながらメールにて、お礼申し上げます。
- 略儀ではございますが、まずは書面にてお礼を申し上げます。
③お祝い
お祝いは、本当ならば相手に会ってお祝いの言葉を送りたいですね。
しかし、距離が遠かったり都合がつかず会えない時には、以下の様にお祝いを伝えます。
- 略儀ながら書面にて、お祝い申し上げます。
- 略儀ではございますが、メールにてお祝いと不参のお詫びを申し上げます。(結婚式などに参加できない場合)
④お詫び
お詫びの際は、相手に迷惑がかかっており誠意をしっかり見せたい場合が多いので 「甚だ略儀ではございますが」などのより丁寧なフレーズを選ぶようにしましょう。
- 甚だ略儀ながら、書中をもってお詫び申し上げます。
- 略儀ではございますが、書中をもってお詫び申し上げます。
- 甚だ略儀ではございますが、書中をもってお詫び申し上げます。
⑤お悔み・お見舞い
「略儀ながら」のフレーズは、お悔みやお見舞いなどの場面でも以下のように使うことができます。
- 略儀ながらメールにて、お見舞い申し上げます。
- 略儀ではございますが書中をもって、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
- 本来であればすぐにでも弔問にお伺いすべきところ、遠路ままならず、略儀ながら書中をもちましてお悔やみを申し上げます。
3.「略儀ながら」と「取り急ぎ」の違い
「略儀ながら」に似たニュアンスで「取り急ぎ○○申し上げます」というフレーズが使われます。
「取り急ぎ」の意味は以下の通りです。
【取り急ぎ】⇒手紙文などで、ひとまず急いで行うといった意味で用いられる表現。
(引用:weblio辞書)
「(本来なら然るべき行動を取るべきですが急用などで取れないため)、さしあたって対応しますが・後でフォローします」という意味が込められています。
以下の表で「略儀ながら」と「取り急ぎ」の違いを詳しく見ていきましょう。
略儀ながら | 取り急ぎ | |
意味 | 本来の正式な方法を省略したやり方だけれども | とりあえず今のところは急いで |
対応 | 実際に会う必要はない | 後日正式な対応が期待される |
このように「略儀ながら」か「取り急ぎ」かでは、後々に期待される対応が異なります。
そのため、後日正式に会える予定がない、再度正式に連絡する予定がない、という場合は「略儀ながら」を用いましょう。
「取り急ぎ」は以下の例文のような形で使われます。
取り急ぎ、メールにてご連絡させていただきます。
4.「略儀ながら」の類語
「略儀ながら」の類語には、以下の言葉があります。
不躾ながら(ぶしつけながら)
不躾の意味は以下の通りです。
【不躾】⇒礼を欠くこと。無作法なこと。また、そのさま。無礼。
(引用:weblio辞書)
これらは、「略儀ながら」と同じ使い方で、手紙やメールなどの文書で使うことができます。
ただし、「失礼」「不躾」という言葉は、ややネガティブさが感じられます。
そのため、 丁寧に表現したい場合には「略儀ながら」を使った方が良いでしょう。
では、それぞれの言葉を使った例文を以下にご紹介します。
不躾ながら、書中にてお願い申し上げます。
まとめ
「略儀ながら」は、「 正式な方法を省略したやり方ですが・踏むべき手段を省略していますが」という意味です。
「略儀ながら」は書き言葉のため、メールや書中(文書)に用います。
また、結び言葉のため、締めくくりの挨拶として使用します。
実際に目の前に相手がいる場合には、「簡単ではございますが」という言葉を代わりに使いましょう。
また「略儀ながら」は、実際に会う予定が無くても使えますが、類語である「取り急ぎ」は、後の正式な対応が期待される言葉のため使い分けに注意してください。