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「目には目を歯には歯を」の意味は、害を被ったら同じだけの害を与えるです。
現代では「やられたらやり返す」といった復讐のイメージが強いですが、本来は「同等の仕返しまでしか認めない」という意味で使っていました。
この記事では「目には目を歯には歯を」の本来の意味、類語、対義語、英語表現について詳しく解説します。
1.「目には目を歯には歯を」の意味と語源
意味は「受けた害と同じだけの害を与えて仕返しする」
目には目を歯には歯を
読み方:めにはめをはにははを
意味:受けた害と同じだけの害を与えて仕返しをする
「目には目を歯には歯を」の意味は、 受けた害と同じだけの害を与えて仕返しをする、です。
自分に危害を与えてきた者に対して、復讐や報復を与えるという「やられたらやり返す」ことわざとして知られています。
できればそういう状況下には陥りたくないものです。
語源は諸説あり「ハンムラビ法典」「十二表法」「旧約聖書」
「目には目を歯には歯を」の意味は、「やられたらやり返す」ですが、 語源によっては「やり返すまでにとどめなさい」と記述されているものもあります。
語源については諸説ありますが、以下の3つについてご紹介します。
それでは、それぞれを詳しく解説していきます。
ハンムラビ法典
約4000年前、バビロニアの争い拡大を防ぐために作られた法典で、ローマ法典、ナポレオン法典と並ぶ「世界三大法典」の一つです。
過度な報復を防ぐために「目には目を歯には歯を」と説かれ、同等の仕返しは許されるが、度が過ぎてはいけないという規制です。
この規制は196条「タリオの法」に記述されています。
タリオの法では、「害を受けたら復讐して良い」ではなく、「受けた害以上の復讐をしてはいけない」、つまり加害者に過度な報復や刑罰を与えることを禁じた法なのです。
ただし、身分格差が残る時代背景があり、身分の低い者が高い者に害を与えた場合の罰は厳しく、身分の高い者が低い者に害を与えた場合の罰は軽いものでした。
十二表法(じゅうにひょうほう)
「十二表法」とは、古代ローマの基本法典のことです。
訴訟手続き・相続などに関する法が、12枚の銅版に記述され、公示されたことから「十二表法」と呼ばれています。
十二表法の第8表は、犯罪による刑法の項目で「目に目を歯には歯を」の意味と同じ文があります。
それが以下の文です。
他人に対して重度な怪我を負わせ、被害者と和解していない場合は、加害者に対する同等の復讐が許される。
参考:「世界史の窓」
十二表法は、法の前では貴族も平民もみな平等である、いわば「平民の権利を守るためのもの」という法律です。
しかし、第12表には「平民と貴族の通婚は認めない」と明記されているので、婚姻制度については完全に平等であるとは言い難いもののようです。
旧約聖書
旧約聖書は全39巻あり、大きく分けて「律法」「歴史書」「詩歌書」「預言書」の4つに分類されています。
さらに「律法」には、「創世記」「出エジプト記」「レビ紀」「民数記」「申命記」と呼ばれる、「モーセ五書」があります。
その中の 「出エジプト記」の21章(法律集)には、「目には目を歯には歯を」が記述されています。
人を打って死なせた者は、必ず殺されなければならない。
人がほしいままに隣人を襲い、策略をめぐらして殺した場合、この者をわたしの祭壇のところからでも連れ出してころさなければならない。
(中略)
目には目。歯には歯。手には手。足には足。
やけどにはやけど。傷には傷。打ち傷には打ち傷。
「同じだけの報復しか許しません」という文言なので、それ以上をやると刑罰の対象となりました。
また、「レビ紀」の24章(民向けの規定集)にも、以下のような記述があります。
かりそめにも人を打ち殺す者は、必ず殺される。
動物を打ち殺す者は、いのちにはいのちをもって償わなければならない。
もし人がその隣人に傷を負わせるなら、その人は自分がしたと同じようにされなければならない。
骨折には骨折。目には目。歯には歯。人に傷を負わせたように人は自分もそうされなければならない。
動物を打ち殺す者は償いをしなければならず、人を打ち殺す者は殺されなければならない。
自分がした行ないにしたがって、それと同じ報いを受けるように主は定めておられます。
人のいのちを取るのならば、自分のいのちが取られます。
目には目、歯には歯、傷には傷です。
参考:「旧約聖書メッセージ(レビ記24-25章)」
あらかじめ刑罰の限度を定めておくことで、余計な犯罪を増やさないことを主旨としています。
近代的な刑罰に近い感じです。
2.「目には目を歯には歯を」の使い方と例文
続いて「目には目を歯には歯を」の使い方と例文をご紹介します。
ことわざの持つ本来の意味を知ると、適切に使えるようになります。
それでは一つずつ解説していきます。
本来は復讐の意味だけではない
実はこの「目には目を歯には歯を」のことわざは、本来復讐だけの意味ではないのです。
旧約聖書に記述されていることは、上記で解説しましたが、「同等の仕返しだけに留め、それ以上のことはやってはいけない」のです。
そして、 「あくまでも同等の仕返しだけ」という念押しのために、「目には目。歯には歯。手には手。足には足。」と部位の特定もされています。
また、起こさなくても良い犯罪を未然に防ぐという意味もあります。
<例文>
やられても倍返しはだめです。「目には目を歯には歯を」だから「やられたらやり返す」にとどめよう!
現代では良い意味で使わない
現代では復讐や報復という意味だけで使われています。
心の内のドロドロとした部分が浮き上がってくるようですね。
<例文>
もう我慢の限界!目には目を歯には歯をで、彼にも同じ苦しみを与えてやります。
3.「目には目を歯には歯を」の類語と例文
「目には目を歯には歯を」の類語として、以下の2つをご紹介します。
どちらの言葉も「目には目を歯には歯を」と同じ、害を与えてきた者に対して害を与える、という意味ですが、
それでは順に見ていきましょう。
類語1.「やられたらやり返す」
やられたらやり返す
意味:害を与えてきた相手に、同等の害を与えること。
「やられたらやり返す」の意味は、害を与えてきた相手に、同等の害を与えることです。
害を与えてきた相手にやり返すという意味では「目には目を歯には歯を」と同じです。
ただし、「目には目を歯には歯を」は、部位の特定がありますが、「やられたらやり返す」は具体的な報復の種類を断定していません。
「やられたらやり返す」は賛否両論あり、大変難しい問題です。
自分の負った心や体の傷を、相手にも味わせてやりたいと思うかもしれませんし、泣き寝入りしてしまうかもしれません。
しかし、やり返したとしてもそれで問題が解決するわけではありません。
自分の品性や気持ちが傷ついてしまう可能性もあるので、よく考えて行動を決める必要があります。
<例文>
ひどい仕打ちをされたとしても、やられたらやり返すようでは、同じレベルの人間に成り下がるのでやめておこう。
類語2.「お礼参りをする」
お礼参りをする
読み方:おれいまいりをする
意味:
- 神仏にかけた願(がん)が成就したときに礼として参詣すること。
- 刑期を終えたやくざが「警察に密告した者」や「裁判などで不利益な発言をした者」に対して報復をすること。
「お礼参り」には意味が2つあります。
元々の意味は、神仏にかけた願いが叶ったときに、神社やお寺へ御礼をしに行くことですが、これはほとんど知られていません。
世間に周知されいる意味は、刑期を終えたやくざが、「警察に密告した者」など、自分に不利益なことをもたらした相手に報復を行うことです。
刑務所など「拘束を解かれた後にする復讐」なので、密告した人や裁判で刑に関係する発言をした人は、危険な立場に置かれる可能性があります。
「お礼参り」の「報復をする」ことと、「目には目を歯には歯を」と、仕返しをする種別では同じです。
しかし「お礼参り」は、「害を与えてきたものに同じ害を与える」という意味はなく、逆恨みによる仕返しの意味が強いです。
<例文>
- 願いが叶って第一志望に無事合格できたことをお礼参りしてこよう。
- よくも弟をいじめてくれたな!お礼参りをするしかないな。
4.「目には目を歯には歯を」の対義語
「目には目を歯には歯を」の対義語として、以下の2つをご紹介します。
- 仇を恩で報ずる (あだをおんでむくずる)
- 怨みに報ゆるに徳を以てす (うらみにむくゆるにとくをもってす)
どちらのことわざも 「ひどいことをされたが、それを怨みに思わず、温かい気持ちで接すること」の意味があり、まさに博愛の精神ですね。
それでは順に、例文を交えて解説します。
対義語1.「仇を恩で報ずる」
仇を恩で報ずる
読み方:あだをおんでむくずる
意味:ひどい仕打ちをされても、それを怨みに思わず、逆に温かい気持ちで接すること。
「仇を恩で報ずる」の意味は、ひどい仕打ちをされても恨むことなく、温かな気持ちで接すること、です。
大きな心の度量がないと、そのような気持ちにはなれないので、まさに神様か仏様かイエス様のようです。
「仇を恩で報ずる」の対義語でよく知られていることわざは「恩を仇で返す」です。
与えてもらった恩があるのに、恩を仕打ちで返してくるという、何ともやるせない行動ですね。
<例文>
いじめてきた相手を仇を恩で報ずるができるなんて、あなたは心が広い人ね!
対義語2.「怨みに報ゆるに徳を以てす」
怨みに報ゆるに徳を以てす
読み方:うらみにむくゆるにとくをもってす
意味:怨みたくなるようなことをされても、仕返しをするのではなく、全ての人を愛する気持ちを持って接するべきだということ。
このことわざは、中国の春秋時代の思想家「老子」が「論語」の中で述べている言葉です。
「恨みたくなるようなことをされても、仕返しをするのではなく、全ての人を愛する気持ちで接するべき」という意味があります。
怒りの感情は些細なことで生まれやすいものですが、復讐をするのではなく、逆に恩を与えるような気持ちで接しなさいということです。
人としての器が大きくないと、非常に難しいことですね。
使い方は以下の例文を参考にしてください。
<例文>
彼には今まで散々意地悪をされたが、今とても困っているから、恨みに報ゆるに徳を以てすというように助けてあげることにする。
5.「目には目を歯には歯を」の英語表現と例文
「目には目を歯には歯を」の英語表現には、以下の2つがあります。
(目には目を、歯には歯を、手には手を、足には足を。)
(目には目を、歯には歯を。)
どちらを 直訳しても「目には目を歯には歯を」の日本語そのもので、ネイティブにも十分に伝わります。
それぞれを詳しく見ていきましょう。
英語1.「Eye for eye,tooth for tooth,hand for hand, foot for foot.」
少々長過ぎる英文ですが、 「目には目を歯には歯を」より、格段にやり返す気持ちがこもった表現 であると同時に、同じ害以外は与えてはいけないというニュアンスが 込められています。
<例文>
through already read.Because it is unpleasant eye for eye, toothfor tooth, hando for hand, foot for foot, I also read through.
(既読スルーされて不愉快なので、目には目を、歯には歯を、手には手を、足には足をで私も既読スルーしてやる。)
英語2.「An eye for an eye,and a tooth for a tooth.」
ネイティブにもよく使われる定型文で、覚えておくと便利です。
<例文>
I was deceived by her, so follow the rule of an eye for eye, tooth for a tooth.
(私は彼女に騙されていた、ならば目に目を歯には歯をでやり返してやる。)
まとめ
「目には目を歯には歯を」の意味は、受けた害と同じだけの仕返しをする、です。
本来は受けた害以上の仕返しをしてはいけないという意味で使われていました。
復讐や報復を思う際に使われることわざですが、できれば人生において何の得にもならず、自分や誰かが悲哀な思いをする出来事は避けたいものですね。
ことわざには奥深い意味があるので、正しい意味を知り、知識を広げていきましょう。
きっと自分自身の知識の肥やしとなります。